みづばな)” の例文
博士はフロツクコオトの隠しから皺くちやな手帛はんかちを取出して、一寸みづばなをおしぬぐうた。そしていつもの几帳面な調子で
「あれか、あれは露西亜帰りの男に土産に貰つたのだが——」板垣氏はみづばなを啜りながら肩をゆすぶつた。「あちらでは何に使つてるものか、誰に訊いてもわかりよらん。」
「いや心配せんでもいゝ。」と慌ててみづばなと一緒に涙を拭いた。「どうも大した食物たべものだね。そんな食物たべものを割引もして貰はないで、食つてしまつたと思ふと、つい悲しくなつて。」
すべて老人としよりといふものは、みづばなすゝりながら
みづばなは忠告に禁物7・7(夕)