ばな)” の例文
腰は二に崩れ、いたり痰を吐いたり、水ばなをすすり上げたり、よだれを流したり老醜とはこのことかむしろ興冷めてしまったが、何れにしても怪しい。
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
おもんはこう、水ばなをすすりながら言って、台所へ戻った。これから、彼女も稲をかなければならなかったのだ。
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
ばなすすり啜り僅かな銭をせびるんだ、どんなに僅かでもまだ小僧の身には痛かった、けれどもいやじゃあなかった、店を閉めたあとの買食いはお店者たなものの楽しみの一つになっている
金五十両 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)