“はな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハナ
語句割合
17.7%
12.7%
12.6%
10.6%
8.6%
8.0%
5.2%
3.7%
3.0%
2.4%
(他:266)15.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかもゆきなすゆびは、摩耶夫人まやぶにんしろほそはな手袋てぶくろのやうに
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
れぬ紅白こうはくさま/″\のはな咲亂さきみだれて、みなみかぜがそよ/\とくたびに
つなおにのことをくわしくはなしました。おばさんはだんだんひざをしながらいていましたが、
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
うござんすかい、わたし無理むりにおたづまをします、あなたはうしてもおはなしなさいませぬ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
半分こげたり、びしょびしょにぬれたりした焼け残りの荷物といっしょに、ぼくたち六人は小さなはなれでくらすことになった。
火事とポチ (新字新仮名) / 有島武郎(著)
たとへ偶然ぐうぜんとはいへ、このはなじま漂着へうちやくして、大佐たいさいへ
あのつゆびたいろは、かすかひかりをさへはなつて、たとへば、妖女えうぢよえんがある。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
としちゃんは、にぎっていたいしからはなして、そのほういていると、おとこ
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうち子供がみんな学校から帰って来たので、今まで赤いリボンに占領されていた家庭が、急に幾色かのはなやかさを加えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
胃のへ届く食物は、そのまま直ちに消化されて、血管を少女のような元気さとはなやかさとで駆け回るように感じられた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
くろあたまが丁度はちかげになつて、花からにほひが、い具合にはなかよつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
丸顏まるがほあたまおほきなひとまなじりながれ、はなたかくちしま
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
どうあろうと、吉岡に討たるる前に、武蔵は、婆が手にかけ、あのはなたれ首のもとどりつかんで、故郷の衆に見せにゃならぬ
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爺の左近は、そばでふとおもてを庭面にわもへそらした。時ならぬ朝霜はもうあとかたもない。けれど爺ははなをすすっていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二ツも三ツも。私に何をはなすのだろう、私に何を話すのだろう。鳥がものをいうと慄然ぞっとして身の毛が弥立よだった。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「イヤ、世帯持ちはその心がけが肝腎です。」と和泉屋は、叔母とシミジミ何やら、はなしていたが、この時口をれた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
韋駄天いだてんを叱する勢いよくまつはなけ付くれば旅立つ人見送る人人足にんそく船頭ののゝしる声々。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
暫くは舞台のはなに立つて、鉛筆のやうに真直になつてゐたが、急にくつ音を蹴立けたててフロオマンの前へ出て来た。
しかしこの二つの、時間的にも空間的にも遠くはなれた心像をつなぎ合せている何物かがあるだけはたしかでなければならない。
二つの正月 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
まず青い紙で行燈あんどうの口をおおい、定めの通りに燈心百すじを入れて五間いつまほどはなれている奥の書院に据えた。
百物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
――最初はなからこの娘には嚇されたが、どうやら最後きりまで嚇されそうだ。――さすがの一式小一郎も、微苦笑せざるを得なかった。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あんなに気持のいい表情をもっていたにも拘らず、彼の顔が最初はなから長官の気に入らず――いったいどうした訳か、それはさっぱり分らない。
市をとほりながら、くしやみもしたし、ハンカチで鼻汁はなもかんだけれど肝腎のことはすつかり忘れてしまつてゐたのぢや。
「後ろ手に縛られて首を絞められ、眼を廻して鼻汁はなだらけになって、大納戸なんどの布団の中にほうり込まれて居ましたよ」
ある日秋山先生が訪ねてきて、父と長くはなしていたが、それは私を送ってくれる先生が書生にしてくれといったのだとあとで聞いた。
周囲は駕籠かごが通り人々は煙草たばこをふかし、茶をのみ乍ら四方山よもやまはなしにふける普通の現実の世界である。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「そんだがよ、はなしてやつとえゝんだな、すときまりやいくらでもくちらな」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「オヤ誰方かと思ッたら文さん……さみしくッてならないからちっとおはなしにいらッしゃいな」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「馬鹿野郎、俺はあの邊に顏を知られ過ぎて居るし、冒頭はなつから人騷がせをしたくないからお前を頼んでゐるんぢやないか」
事件は斯うして冒頭はなから迷宮に入りました。が、それから二日目、八五郎は思ひも寄らぬ大きな手掛りを掴んで來ました。
鵬斎が茶山を通衢上つうくじやうに捉へて放さなかつた如く、茶山は霞亭を諸生間に抜いてはなつまいとした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
朱能しゅのう周長しゅうちょう等、王の急を見、韃靼だったん騎兵をはなって庸の軍の東北角を撃つ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
わしら人間はどんな深山に分け入っても、一度人間として暮したことのあるものは、どこまでも人間をはなれることのできぬものじゃ。
あじゃり (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そのうち弟はひとりだけ姉のそばからはなれた。いつものようにそういう時はすげなく見えたが、姉はべつに不思議そうにはしなかった。
童話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
と、濁った呶号どごうはなつと一緒に、躍り上ったと見えたが、上段に振りかぶっていた一刀を、雪之丞の真向から叩きつけて来た。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
さすがに持扱もてあつかひて直行の途方に暮れたるを、老女は目をほそめて、何処いづこより出づらんやとばかり世にもあやしき声をはなちてゆるく笑ひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あのひびだらけの頬はいよいよ赤くなつて、時々鼻洟はなをすすりこむ音が、小さな息の切れる声と一しよに、せはしなく耳へはいつて来る。
蜜柑 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あのひびだらけの頬はいよいよ赤くなって、時々鼻洟はなをすすりこむ音が、小さな息の切れる声と一しょに、せわしなく耳へはいって来る。
蜜柑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「でかしたのは俺の手柄じゃない。はなっから、ちゃんと筋が通っていたんだ」
顎十郎捕物帳:03 都鳥 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「そうだよ、は泣かせるね。……こんなことなら、いっそはなッから頼りにするんじゃなかった。……当にしていたばっかりに、あっしの方はてんで持駒もちごまなし。……あっしのほうはどうしてくれるんです」
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
弓町の近くに住む、挿花はなの師匠だという話なので、お蝶は、ワラでもつかみたいところですから、そのまま女にいて行きました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お綱は、挿花はなの師匠になりすまして、さるお屋敷の聞香ぶんこうの席にまじっていたことがある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少年工は息を弾ませながら言った。そして、ずるずるっと青黒い洟汁はなすすり上げた。
猟奇の街 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
才ばしったきれいな額に二本のしわを立て、強く洟汁はなをかむのであった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
香以は浜の砂地に土俵を作らせ、村の子供を集めて相撲を取らせて、勝ったものには天保銭一枚の纏頭はなを遣りなどした。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
然るにここに、この名優式の鼻の表現法を堂々と実世間で御披露に及んで、名優以上の木戸銭や纏頭はなを取っているものがザラにいるのには驚かされるのであります。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いくらシッカリ抱きしめても……、雨のような、弾丸のような、激しい接吻に、その匂うようなはなの顔が、ベトベトと濡れ果てても……。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
方々を歩いてみると、往々このイチハツを藁屋根の棟に密に列植してあるのを見かけるが、その紫はなを飜えす花時にはすこぶる風流な光景を見せている。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「どうだい岡村? 海へ行つて鼻孔はなから塩水を飲んだつて始まらないぢやないか。」
眠い一日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
顎十郎は鼻孔はなをほじりながら、うっそりと小屋のうちそとを見まわしてから、
白粉おしろい焼けのような、荒淫こういんにただれた顔に桜花はなの映ろいが明るく踊っているのが、男だけにへんに気味が悪い。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
新しき家居いへゐかど桜花はな咲けどを暗み提灯ちやうちんつけてでけり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
チンとはなをかんで物をも云わず巻煙草に火を移し、パクーリ/\とみながらジロリ/\と怖い眼で治平の顔を見るばかり
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それから人の前でもどこでも自分の着物の裾裏すそうらをまくってはなをかみ、そうして其涕それをうまくすり付けてしまう。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
生は國歌を破壞し盡すの考にては無之日本文學の城壁を今少し堅固に致し度外國の髯づらどもが大砲をはなたうが地雷火を仕掛けうがびくとも致さぬ程の城壁に致し度心願有之
歌よみに与ふる書 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
じうはなこと出來できないのである。
すこし小母が氣分の好い時には、池の金魚の見えるところへ人を集めて、病を慰める爲に花札はなを引いた。
……花札はなを引こうというから六百拳をしているうちに午前二時になった。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
同じ顔ぶれがたいがい顔を揃へてゐて、麻雀の者、碁を打つ者、花牌はなをひく者、けんを打つ者、酒を飲む者。
外套と青空 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
他巳吉と卓一は万年床を隅の方へ押しやつて、毛布に膝をくるみながら花牌はなをひくことになつてゐる。