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離
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はな
ふりがな文庫
“
離
(
はな
)” の例文
それは、
広
(
ひろ
)
い、さびしい
野原
(
のはら
)
でありました。
町
(
まち
)
からも、
村
(
むら
)
からも、
遠
(
とお
)
く
離
(
はな
)
れていまして、
人間
(
にんげん
)
のめったにゆかないところであります。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
越前
(
ゑちぜん
)
の
府
(
ふ
)
、
武生
(
たけふ
)
の、
侘
(
わび
)
しい
旅宿
(
やど
)
の、
雪
(
ゆき
)
に
埋
(
うも
)
れた
軒
(
のき
)
を
離
(
はな
)
れて、二
町
(
ちやう
)
ばかりも
進
(
すゝ
)
んだ
時
(
とき
)
、
吹雪
(
ふゞき
)
に
行惱
(
ゆきなや
)
みながら、
私
(
わたし
)
は——
然
(
さ
)
う
思
(
おも
)
ひました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
糟谷
(
かすや
)
は
西洋葉巻
(
せいようはま
)
きを口から
離
(
はな
)
さないのと、へたの
横好
(
よこず
)
きに
碁
(
ご
)
を打つくらいが
道楽
(
どうらく
)
であるから、
老人側
(
ろうじんがわ
)
にも若い人の
側
(
がわ
)
にもほめられる。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
日
(
ひ
)
は
漸
(
やうや
)
く
朝
(
あさ
)
を
離
(
はな
)
れて
空
(
そら
)
に
居据
(
ゐすわ
)
つた。
凡
(
すべ
)
ての
物
(
もの
)
が
明
(
あか
)
るい
光
(
ひかり
)
を
添
(
そ
)
へた。
然
(
しか
)
しながら
周圍
(
しうゐ
)
の
何處
(
いづこ
)
にも
活々
(
いき/\
)
した
緑
(
みどり
)
は
絶
(
た
)
えて
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
らなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この泉は
霽
(
は
)
れた晩には、下からはっきり見えます。天の川の西の岸から、よほど
離
(
はな
)
れた
処
(
ところ
)
に、青い小さな星で円くかこまれてあります。
双子の星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
なにかが、アンネ・リスベットのからだから、ふわふわと
離
(
はな
)
れて、海の底へもどっていきました。いうまでもなく、浜のゆうれいです。
アンネ・リスベット
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
クラリオネットとラッパの音とが、
離
(
はな
)
れたりもつれたり、何か見知らぬ遠い国からきこえて来る
夢
(
ゆめ
)
のようなひびきを
伝
(
つた
)
えて来ます。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
貝塚の中よりは用に堪えざる土噐の破片出で、又折れ碎けたる石噐出づ。
獸類
(
じうるい
)
の
遺骨
(
いこつ
)
四肢
(
しし
)
所
(
ところ
)
を
異
(
こと
)
にし二枚貝は百中の九十九迄
離
(
はな
)
れたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
私はいつもパイプを口から
離
(
はな
)
したことのないレエノルズさんのことを思い出した。そして今の人影はその老医師にちがいないと思った。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
一
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
役
(
やく
)
にもたたぬ
現世
(
げんせ
)
の
執着
(
しゅうちゃく
)
から
離
(
はな
)
れるよう、しっかりと
修行
(
しゅぎょう
)
をして
貰
(
もら
)
いますぞ!
執着
(
しゅうじゃく
)
が
残
(
のこ
)
っている
限
(
かぎ
)
り
何事
(
なにごと
)
もだめじゃ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
女は器を受け取って、その玉をとり出そうとしますと、玉は器の底に
固
(
かた
)
くくっついてしまって、どんなにしても
離
(
はな
)
れませんでした。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
芋蟲
(
いもむし
)
と
愛
(
あい
)
ちやんとは
互
(
たがひ
)
に
暫
(
しばら
)
く
默
(
だま
)
つて
睨
(
にらめ
)
ツ
競
(
こ
)
をして
居
(
ゐ
)
ましたが、
終
(
つひ
)
に
芋蟲
(
いもむし
)
が
其口
(
そのくち
)
から
煙管
(
きせる
)
を
離
(
はな
)
して、
舌
(
した
)
ッたるいやうな
眠
(
ねむ
)
さうな
聲
(
こゑ
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
大きなお
城
(
しろ
)
がそびえ立ち、
低
(
ひく
)
い
壁
(
かべ
)
と
離
(
はな
)
れ
屋
(
や
)
にかこまれた中庭には、美しく石がしきつめてあって、
古風
(
こふう
)
な
庭園
(
ていえん
)
はいかにも
優雅
(
ゆうが
)
です。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
今日
(
こんにち
)
の
二人
(
ふたり
)
の境界は其
時分
(
じぶん
)
とは、大分
離
(
はな
)
れて
来
(
き
)
た。さうして、其離れて、
近
(
ちか
)
づく
路
(
みち
)
を見出し
悪
(
にく
)
い事実を、双方共に腹の
中
(
なか
)
で心得てゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
吾等
(
われら
)
も
喫驚
(
びつくり
)
して
其方
(
そなた
)
を
振向
(
ふりむ
)
くと、
此時
(
このとき
)
、
吾等
(
われら
)
の
立
(
た
)
てる
處
(
ところ
)
より、
大約
(
およそ
)
二百ヤード
許
(
ばかり
)
離
(
はな
)
れた
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
から、
突然
(
とつぜん
)
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
た
二個
(
ふたり
)
の
人
(
ひと
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
文字に霊ありや無しやを、彼は自力で解決せねばならぬ。博士は書物を
離
(
はな
)
れ、ただ一つの文字を前に、終日それと
睨
(
にら
)
めっこをして過した。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そのうちで、
夜
(
よる
)
も
晝
(
ひる
)
もぶっ
通
(
とほ
)
しに
家
(
いへ
)
の
側
(
そば
)
を
離
(
はな
)
れずに、どうにかして
赫映姫
(
かぐやひめ
)
に
逢
(
あ
)
つて
志
(
こゝろざし
)
を
見
(
み
)
せようと
思
(
おも
)
ふ
熱心家
(
ねつしんか
)
が
五人
(
ごにん
)
ありました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
具足の
威
(
おどし
)
は
濃藍
(
こいあい
)
で、
魚目
(
うなめ
)
はいかにも堅そうだし、そして胴の
上縁
(
うわべり
)
は
離
(
はな
)
れ
山路
(
やまみち
)
であッさり囲まれ、その中には
根笹
(
ねざさ
)
のくずしが打たれてある。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
〔譯〕死を畏るゝは生後の情なり、
躯殼
(
くかく
)
有つて後に
是
(
こ
)
の情あり。死を畏れざるは生前の性なり、
躯殼
(
くかく
)
を
離
(
はな
)
れて始て是の性を見る。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
ちょうど手摺が
腰
(
こし
)
の辺に、あたります。
離
(
はな
)
れかかった足指には、力が
一杯
(
いっぱい
)
、入っています。「神様!」ぼくは泣いていたかもしれません。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
あゝ
貴君
(
あなた
)
のやうにもないお
力
(
りき
)
が
無理
(
むり
)
にも
商買
(
しようばい
)
して
居
(
ゐ
)
られるは
此力
(
このちから
)
と
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
さぬか、
私
(
わたし
)
に
酒氣
(
さかけ
)
が
離
(
はな
)
れたら
坐敷
(
ざしき
)
は三
昧堂
(
まいどう
)
のやうに
成
(
な
)
りませう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お妙は、どう考えても、
離
(
はな
)
しともない喬之助であったが、愛すれば愛するだけに、
逮捕
(
たいほ
)
の危険にさらしておきたくないのである。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
とこの
離
(
はな
)
れ
業
(
わざ
)
にさすがの新九郎も、驚いて振り顧る途端、既に夜叉王の如く眼を怒らした吉祥房の杖が
唸
(
うな
)
りを生じて頭上へ来た。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勿論彼は
密送前
(
みつそうまへ
)
から本葬にかゝるまで十
日
(
か
)
の
余
(
よ
)
も、
嫂
(
あによめ
)
の弟に
当
(
あた
)
る人の
家
(
いへ
)
の二
階
(
かい
)
の
離
(
はな
)
れに
閉籠
(
とぢこも
)
つてゐて
叮重
(
ていちやう
)
にされゝばされるほど気が痛んだ。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
その
時
(
とき
)
、
杜松
(
ねず
)
の
樹
(
き
)
がザワザワと
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
して、
枝
(
えだ
)
と
枝
(
えだ
)
が、まるで
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
って
喜
(
よろこ
)
んでいるように、
着
(
つ
)
いたり、
離
(
はな
)
れたり、しました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
近衞家
(
このゑけ
)
の
京武士
(
みやこぶし
)
は、
綺麗
(
きれい
)
な
扇
(
あふぎ
)
で、のツぺりした
顏
(
かほ
)
を
掩
(
おほ
)
ひつゝ、
片手
(
かたて
)
で
鼻
(
なは
)
を
摘
(
つ
)
まんで、三
間
(
げん
)
も
離
(
はな
)
れたところから、
鼻聲
(
はなごゑ
)
を
出
(
だ
)
した。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
離
(
はな
)
れさうで
離
(
はな
)
れない
燕
(
つばめ
)
の
群
(
むれ
)
は、
細長
(
ほそなが
)
い
形
(
かたち
)
になつたり、
圓
(
まる
)
い
輪
(
わ
)
の
形
(
かたち
)
になつたりして、
村
(
むら
)
の
空
(
そら
)
の
高
(
たか
)
いところを
揃
(
そろ
)
つて
舞
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
遠く
離
(
はな
)
れて食べる事に困らないと、君がどんな風に食べているンだろうと云う事が案ぜられるのだ。まだ一度も君から手紙を貰っていない。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
かような
場合
(
ばあひ
)
を
省
(
かへり
)
みると、
屋外
(
おくがい
)
へ
避難
(
ひなん
)
して
可
(
か
)
なる
場合
(
ばあひ
)
は、
僅
(
わづか
)
に
二三秒
(
にさんびよう
)
で
軒下
(
のきした
)
を
離
(
はな
)
れることが
出來
(
でき
)
るような
位置
(
いち
)
にあるときに
限
(
かぎ
)
るようである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
芸妓
(
げいこ
)
は一寸頭を下げて、紙包みを長い
袂
(
たもと
)
の中に
蔵
(
しま
)
ひ込んだ。
商人
(
あきんど
)
は自分ながら江戸つ児の
切
(
き
)
れ
離
(
はな
)
れのよいのに満足したやうににつと笑つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
よし
然
(
さ
)
うでないにせい、
前
(
まへ
)
のは
最早
(
もう
)
絶滅
(
だめ
)
ぢゃ、いや、
絶滅
(
だめ
)
も
同樣
(
どうやう
)
ぢゃ、
離
(
はな
)
れて
住
(
す
)
んでござって、
貴孃
(
こなた
)
のまゝにならぬによって。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
蜂
(
はち
)
はそれにとまつて
暫
(
しばら
)
く
夫
(
をつと
)
の
氣配
(
けはい
)
を
窺
(
うかゞ
)
つてゐるらしかつたが、それが
身動
(
みうご
)
きもしないのを
見
(
み
)
ると、
死骸
(
しがい
)
を
離
(
はな
)
れてすぐ
近
(
ちか
)
くの
地面
(
ぢべた
)
に
飛
(
と
)
び
降
(
お
)
りた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
柳吉は反対側の
壁
(
かべ
)
にしがみついたまま
離
(
はな
)
れず、口も利けなかった。お
互
(
たが
)
いの心にその時、えらい駈落ちをしてしまったという
悔
(
くい
)
が
一瞬
(
いっしゅん
)
あった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
まえにもいったとおり、ヘクザ館は
人里
(
ひとざと
)
離
(
はな
)
れた山岳地帯にあるのだから、こうなっては、
辞去
(
じきょ
)
することもできないのである。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
出して渡せば
確
(
しか
)
と懷中して則ち頭に
指
(
させ
)
し
櫛
(
くし
)
を出し是はお前樣も知る通り我が爲に千金にも
替
(
かへ
)
がたき母の
紀念
(
かたみ
)
にして片時も
離
(
はな
)
さず
祕藏
(
ひざう
)
の品
此櫛
(
このくし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
手本
(
てほん
)
を
本
(
もと
)
にして
生意氣
(
なまいき
)
にも
實物
(
じつぶつ
)
の
寫生
(
しやせい
)
を
試
(
こゝろ
)
み、
幸
(
さいは
)
ひ
自分
(
じぶん
)
の
宅
(
たく
)
から一丁ばかり
離
(
はな
)
れた
桑園
(
くはゞたけ
)
の
中
(
なか
)
に
借馬屋
(
しやくばや
)
があるので、
幾度
(
いくたび
)
となく
其處
(
そこ
)
の
廐
(
うまや
)
に
通
(
かよ
)
つた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼はちょっと
驚
(
おどろ
)
いて一度遊びに来るようにいって、そのまま別れたときから、いっそうかれのことが頭から
離
(
はな
)
れなかった。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
ミカン類の果実を
剥
(
む
)
いて見ると、表面の皮がまず容易にとれる。その中には俗にいうミカンの
嚢
(
ふくろ
)
が
輪列
(
りんれつ
)
していて、これを
離
(
はな
)
せば個々に分かれる。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
而
(
さう
)
して
彼
(
かれ
)
は
此頃
(
このごろ
)
見
(
み
)
たり、
聞
(
き
)
いたりした
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へやうと
思
(
おも
)
ふたが、
如何
(
どう
)
したものか
猶且
(
やはり
)
、ミハイル、アウエリヤヌヰチが
頭
(
あたま
)
から
離
(
はな
)
れぬので
有
(
あ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
わたしは、わきへよけた。父は手綱を引いて、ジナイーダから身を
離
(
はな
)
し、彼女は静かに父を見上げた。——そのまま二人は、
駆
(
か
)
け去ってしまった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
凡
(
およ
)
そ
眞
(
しん
)
の
化物
(
ばけもの
)
といふものは、
何處
(
どこ
)
の
部分
(
ぶぶん
)
を
切
(
き
)
り
離
(
はな
)
しても、一
種
(
しゆ
)
異樣
(
いやう
)
な
形相
(
げうさう
)
で、
全體
(
ぜんたい
)
としては
渾然
(
こんぜん
)
一
種
(
しゆ
)
の
纏
(
まと
)
まつた
形
(
かたち
)
を
成
(
な
)
したものでなければならない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
すると
一心
(
いつしん
)
が
通
(
とほ
)
りましてか、
満願
(
まんぐわん
)
の日に
梅喜
(
ばいき
)
は疲れ果てゝ
賽銭箱
(
さいせんばこ
)
の
傍
(
そば
)
へ
打倒
(
ぶつたふ
)
れてしまふ
中
(
うち
)
に、カア/\と
黎明
(
しのゝめ
)
告
(
つぐ
)
る
烏
(
からす
)
諸共
(
もろとも
)
に
白々
(
しら/\
)
と
夜
(
よ
)
が明け
離
(
はな
)
れますと
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
離
(
はな
)
れに行ったら、これがおばあさまか、これがおとうさんか、おかあさんかとおどろくほどにみんな変わっていた。
火事とポチ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
すべての恋する人々は、自分等以外に全く
人影
(
ひとかげ
)
のない
離
(
はな
)
れ小島の無人島で、心行くまで二人だけの生活をし、二人だけの会話をしたいと願うのである。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そして、
地
(
じ
)
だんだを踏みながら、その西瓜の様なものに食いついた。彼はそれを、
離
(
はな
)
しては喰いつき、離しては喰いつき、さも楽しげに踊りつづけた。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
運転手の手にハンドルが一寸
捩
(
ねじ
)
られると、物珍らしさにたかる村の子供の
群
(
むれ
)
を
離
(
はな
)
れて、自動車はふわりと
滑
(
すべ
)
り出した。
村路
(
そんろ
)
を出ぬけて青山街道に出る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
バスの音とソプラノの音とが、
即
(
つ
)
かず
離
(
はな
)
れずに縺れ合つて、高くなつたり低くなつたりして漂ふ間を、福富の肉聲が、浮いたり沈んだりして泳いでゐる。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
いっしょに外に出かけるときには、そのそばを
離
(
はな
)
れませんでした。チロは駆けまわって、草の中に隠れたり、木に登ったり、石ころにじゃれたりしました。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
かういふのがよいと
考
(
かんが
)
へるのは、
實際
(
じつさい
)
の
生活
(
せいかつ
)
から
離
(
はな
)
れたところに、
文學
(
ぶんがく
)
があるのだとする
考
(
かんが
)
へで、もう
今
(
いま
)
の
人
(
ひと
)
とは
關係
(
かんけい
)
のない、
優美
(
ゆうび
)
といふ
趣味
(
しゆみ
)
であります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
こんな他愛のないことを考えることもある。それはとにかく、亀さんが鳥人になったらおそらく人並以上の
離
(
はな
)
れ
業
(
わざ
)
を演じ得る名操縦士になったことであろう。
重兵衛さんの一家
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“離”の意味
《名詞》
(はなれ)母屋から別棟になっている小型の座敷。
(出典:Wiktionary)
“離”の解説
離(り)は八卦の一つ。卦の形はであり、初爻は陽、第2爻は陰、第3爻は陽で構成される。または六十四卦の一つであり、離為火。離下離上で構成されるよ
(出典:Wikipedia)
離
常用漢字
中学
部首:⾫
19画
“離”を含む語句
距離
離縁
流離
遠離
出離
離島
離宮
水垢離
別離
睽離
突離
天離
乱離骨灰
離室
離屋
離座敷
乖離
離家
久離
離々
...