“離々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
りり85.7%
りゝ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おそれ多いご比較ではあるが、吉野の御陵ごりょうには、雑草が離々りりいて、ここの何分の一の御築石みきずきもない——けがれもくそもあるものか、俺は、斬る
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春草が離々りりえて、墓標に植えた木がもう一抱えになっていた。女はそれを見て吐息した。燕児の李は桑に言った。
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
今廢道同樣の運命になつて、花崗石みかげいし截石きりいしや材木が處狹きまで積まれて、その石や木の間から、尺もある雜草が離々りゝとして生ひ亂れて居る。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ゐどはたより出でゝ、境内カヤツリ草の離々りゝたる辺にたたずみ、ポッケットより新約聖書取り出でゝ吾愛する約翰よはね伝第四章を且読み且眺む。頭上には「此山」ゲリジムの山聳ふ。