“居据”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いすわ59.1%
ゐすわ18.2%
いす9.1%
いず4.5%
いずわ4.5%
ゐす4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他家に嫁して舅姑の跡を継ぐ者あり、生れたる家に居据いすわりて父母の跡を継ぐ者あり、其辺に心付かざりしは全く記者の粗漏そろうならん。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
やうやあさはなれてそら居据ゐすわつた。すべてのものあかるいひかりへた。しかしながら周圍しうゐ何處いづこにも活々いき/\したみどりえてうつらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あんな人に、いつまでも居据いすわっていられてたまるもんか。(土瓶どびんの茶をついで飲む。)ああ、いやだ、いやだ。ほんとうに寿命を縮めてしまった。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
……彼奴は吾輩が昨夜からここに居据いずわりで居る事を、今朝けさ本館の玄関を這入ると同時に見貫みぬいていたに違いない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
二年、三年、四年、五年——もう五年の月日がそこに経ちましたが、まったくの居据いずわりでどうにもこうにもしようがないんです。
初看板 (新字新仮名) / 正岡容(著)
これは若い時分旋盤工だつたがシャフトに捲きつけられて片腕を失つてから、お情で倉庫の番人にまはされ、それから三十年もの消耗品倉庫の暗い穴に居据ゐすわつてゐるぢいさんだ。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)