居据ゐすわ)” の例文
やうやあさはなれてそら居据ゐすわつた。すべてのものあかるいひかりへた。しかしながら周圍しうゐ何處いづこにも活々いき/\したみどりえてうつらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此處より住み心地の良い家はなく、井戸へ飛込む氣にもなれなかつたか、そのまゝズルズルと、居据ゐすわつてしまつたさうで
それを君がどこまでも此処こゝ居据ゐすわつて、娘の心を乱すまでは動かぬといふのなら、わたしにも覚悟があるぞ
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
然るに次場所の位置は逆比例して、駒は小結に昇進し、太刀は居据ゐすわりとなつてゐた。
八百長くづれ (新字旧仮名) / 栗島山之助(著)
それでもかれ我慢がまん出來できるだけつとめた。出代でがはり季節きせつときかれはまたしきりにまどうたが、どうも其處そこつてしまふのがしい心持こゝろもちもするし、逡巡しりごみして居据ゐすわりになつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
卯平うへい年末ねんまつ出代でがはり季節きせつになれば持病ぢびやうにして、奉公ほうこうもどうしたものかと悲觀ひくわんすることもあるが、我慢がまんをすればしのげるのでつひ居据ゐすわりにつてるうちに何時いつでもはる季節きせつかへつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)