“残”のいろいろな読み方と例文
旧字:殘
読み方割合
のこ89.7%
のこり5.6%
のこん0.9%
あと0.6%
そこな0.6%
のこせ0.6%
のこっ0.3%
き0.3%
ざ0.3%
ざん0.3%
の0.3%
のこし0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日(ひ)の光(ひかり)は、ほのかに足(あし)もとをあたためて、草(くさ)のうちには、まだ生(い)き残(のこ)った虫(むし)が、細(ほそ)い声(こえ)で、しかし、朗(ほが)らかに歌(うた)をうたっていました。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして残(のこり)の人数(にんず)を二手(ふたて)に分けて、自分達親子の一手は高麗橋(かうらいばし)を渡り、瀬田の一手は今橋(いまばし)を渡つて、内平野町(うちひらのまち)の米店(こめみせ)に向ふことにした。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
うの花にはまだ早い、山田小田(おだ)の紫雲英(げんげ)、残(のこん)の菜の花、並木の随処に相触れては、狩野(かの)川が綟子(もじ)を張って青く流れた。雲雀(ひばり)は石山に高く囀(さえず)って、鼓草(たんぽぽ)の綿がタイヤの煽(あおり)に散った。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われわれの近づくのに気がついたか、件(くだん)の男はこちらをふり向いた,見覚えの貌だ,よく見れば山奉行(やまぶぎょう)の森という人で、残(あと)の二人は山方中間(やまかたちゅうげん)であッた。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
もしこの風を互いに相倣(あいなら)い、ただ生計をこれ争うの勢いに至らば、俊英の少年はその実を未熟に残(そこな)うの恐れなきにあらず。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
描金(まきゑ)を善(よく)して人の粕(かす)をなめず、別に一趣(いつしゆ)の奇工(きこう)を為(な)す。破笠(はりつ)細工とて今に賞(しやう)せらる。吉原の七月創(はじめ)て機燈(からくりとうろ)を作りて今に其余波(よは)を残(のこせ)り、伝(でん)詳(つまびらか)なれどもさのみはとてもらせり。
義塾次第に繁昌扨(さて)四月になった所で普請も出来上り、塾生は丁度慶応三年と四年の境が一番諸方に散じて仕舞(しまっ)て、残(のこっ)た者は僅(わずか)に十八人、夫れから四月になった所が段々帰(かえっ)て来て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
中殿 灯(ともしび) 残(き)えんとす 竹の裏(うち)の声。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
お伝もお絹もいまだ残(ざ)んの色香なまめかしい出獄早々スクリーンへその妖姿を現して、たちまちに満都の人気を席捲することができ得ただろう。
艶色落語講談鑑賞 (新字新仮名) / 正岡容(著)
大鵬(たいほう)という鳥がある。よく万里を翔破(しょうは)します。しかし大鵬の志は燕雀の知る限りではない。古人もいっている——善人が邦(くに)を治めるには百年を期して良く残(ざん)に克(か)ち殺(さつ)を去って為(な)す——と。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、幾人(いくにん)もいる肉襦袢(にくじゅばん)一枚(まい)の若(わか)い女(おんな)らの群(む)れから、目(め)に残(の)っている女(おんな)を探(さが)しました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
思いつつ寝(ぬ)ればや人の見えつらん夢と知りせば覚(さめ)ざらまじを、大原は昨夜(ゆうべ)の夢の現(うつつ)に残(のこし)て独(ひと)り嬉し顔に朝早く臥戸(ふしど)を出(い)で洗面場(せんめんば)に到(いたり)てその帰りに隣室の前を過(すぎ)けるに、隣室に下宿せる大学の書生二
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)