“残骸”のいろいろな読み方と例文
旧字:殘骸
読み方割合
ざんがい94.9%
なきがら5.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
後に再び川越に転封てんぽうされ、そのまま幕末に遭遇した、流転の間に落ちこぼれた一藩の人々の遺骨、残骸ざんがいが、草に倒れているのである。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仕方なしにまた腰をおろした津田は、たもとから煙草を出して火をけた。ふと見ると、灰皿は敷島の残骸ざんがいでもういっぱいになっていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
つぼのごとく長いはなびらから、濃いむらさきが春を追うて抜け出した後は、残骸なきがらむなしき茶の汚染しみ皺立しわだてて、あるものはぽきりと絶えたうてなのみあらわである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
看護婦の手がかなかったためか、いつまでも兄の枕元に取り散らかされている朝食あさめし残骸なきがらは、掃除の行き届いた自分のうちを今出かけて来たばかりの彼女にとって
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)