トップ
>
残骸
>
なきがら
ふりがな文庫
“
残骸
(
なきがら
)” の例文
旧字:
殘骸
壺
(
つぼ
)
のごとく長い
弁
(
はなびら
)
から、濃い
紫
(
むらさき
)
が春を追うて抜け出した後は、
残骸
(
なきがら
)
に
空
(
むな
)
しき茶の
汚染
(
しみ
)
を
皺立
(
しわだ
)
てて、あるものはぽきりと絶えた
萼
(
うてな
)
のみあらわである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
看護婦の手が
隙
(
す
)
かなかったためか、いつまでも兄の枕元に取り散らかされている
朝食
(
あさめし
)
の
残骸
(
なきがら
)
は、掃除の行き届いた自分の
家
(
うち
)
を今出かけて来たばかりの彼女にとって
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世界は色の世界である、形は色の
残骸
(
なきがら
)
である。残骸を
論
(
あげつら
)
って中味の
旨
(
うま
)
きを解せぬものは、方円の
器
(
うつわ
)
に
拘
(
かか
)
わって、盛り上る酒の
泡
(
あわ
)
をどう片づけてしかるべきかを知らぬ男である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母は
掻
(
か
)
き
馴
(
な
)
らしたる灰の盛り上りたるなかに、
佐倉炭
(
さくらずみ
)
の白き
残骸
(
なきがら
)
の
完
(
まった
)
きを
毀
(
こぼ
)
ちて、
心
(
しん
)
に潜む赤きものを片寄せる。
温
(
ぬく
)
もる穴の
崩
(
くず
)
れたる中には、黒く輪切の正しきを
択
(
えら
)
んで、ぴちぴちと
活
(
い
)
ける。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“残骸”の意味
《名詞》
残骸(ざんがい)
跡形も無く壊れた状態で残っている物。
戦場・災害地などに捨て置かれた死体。
(出典:Wiktionary)
“残骸”の解説
残骸
(出典:Wikipedia)
残
常用漢字
小4
部首:⽍
10画
骸
常用漢字
中学
部首:⾻
16画
“残”で始まる語句
残
残酷
残念
残余
残虐
残忍
残滓
残喘
残惜
残燈