“ざん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ザン
語句割合
45.1%
23.9%
18.3%
2.8%
2.8%
1.4%
1.4%
1.4%
1.4%
1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あまりに昇進の早いのをねたむ同輩のためにざんせられて、山口藩和歌山藩等にお預けの身となったような境涯きょうがいをも踏んで来ている。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ざんがくのお社廟やしろを彼方に、泰山街道はもうえんえんとありのような参拝者の流れだった。多くは相撲の噂でもちきりである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
京兆の尹は、事が余りにあらわになったので、法をげることが出来なくなった。立秋の頃に至って、つい懿宗いそうに上奏して、玄機をざんに処した。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
〔評〕幕府ばくふ南洲にわざはひせんと欲す。藩侯はんこう之をうれへ、南洲を大島おほしまざんす。南洲貶竄へんざんせらるゝこと前後數年なり、而て身益さかんに、氣益さかんに、讀書是より大に進むと云ふ。
いのちにて一人一人と跳び入りしまた声もなしざんの深きに
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
海からあがった霧がざん岩に屍衣のようにぼんやりと纒いつき、黄昏のような色をした雪原の上に海鴨が喪章のように点々と散らばっている。悲哀にみちた風景であった。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「さア——来た以上、仕方がない。不本意ながら、おたくを血だらけに致すよりほか、まず、みちはござるまい。斬合きりあいには、ざんバラがみが一番邪魔じゃまでござる。手拭いを一本——」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と泥だらけの姿で這上るところを突飛ばすと仰向に倒れる、と構わずピタリと戸をてゝ、おろざんをして仕舞ったから、表ではお累がワッと泣き倒れまする。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大鵬たいほうという鳥がある。よく万里を翔破しょうはします。しかし大鵬の志は燕雀の知る限りではない。古人もいっている——善人がくにを治めるには百年を期して良くざんさつを去ってす——と。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
船を水に浮かべてその上にこの牛をのせ、どこまで沈んだかをしるして置いて、あとでそのしるしのところまで数多い石を積み、その重さをくわざんすれば、わけなく牛の目方めかたがわかるというのである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)