“竄(ざん)” の例文
甚しきは且つ一臂袒(ひたん)せざれば、輒(すなわ)ち鹿馬の奸に迕(あ)いて、遠く豺狼(ひょうろう)の地に竄(ざん)せられ、朝士之がために寒心す。また且つ平民の膏腴(こうゆ)、肆(ほしいまま)に貪食するに任す。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
〔評〕幕府(ばくふ)南洲に禍(わざはひ)せんと欲す。藩侯(はんこう)之を患(うれ)へ、南洲を大島(おほしま)に竄(ざん)す。南洲貶竄(へんざん)せらるゝこと前後數年なり、而て身益壯(さかん)に、氣益旺(さかん)に、讀書是より大に進むと云ふ。
〔評〕三條公は西三條、東久世諸公と長門に走る、之を七卿(きやう)脱走(だつさう)と謂ふ。幕府之を宰府(ざいふ)に竄(ざん)す。既にして七卿が勤王の士を募(つの)り國家を亂さんと欲するを憂へ、浪華(なには)に幽(いう)するの議(ぎ)あり。