“遁竄”の読み方と例文
読み方割合
とんざん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
殊に、英艦によって舵機を砕かれ、前部砲塔を白煙に包まれながら、薄暮に紛れて遁竄とんざんしてしまったあたりのくだりを、今一度読み直しておいていただく必要がある。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
さきに西国へ遁竄とんざんしていた尊氏が、敗残の兵をのせて、長門ながとの赤間ヶ関をはなれ、海上一日の航路をへて、たそがれ、筑前の芦屋あしやノ浦へただよい着いた日にあたっていた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして幕軍大いについえ、六日夜慶喜は回陽丸に乗じ、海路江戸へ遁竄とんざんした。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)