“遁路”の読み方と例文
読み方割合
にげみち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
恋ある人は恋を思ひ、友ある人は友をおもひ、春の愁と云はるる「無聊の圧迫」を享けて、何処かしら遁路にげみちを求めむとする。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あいちやんは何處どこ遁路にげみちをとおもつてさがしましたが、不思議ふしぎにも、つからないやうには何處どこへもかれませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
彼女は、ここまで来ても遁路にげみちのなかったのを知らされたような沈着を心に感じた。病気に、心と心との撃ち合う音のない争いをやめさせる力は、なかった。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)