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遁路
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にげみち
ふりがな文庫
“
遁路
(
にげみち
)” の例文
恋ある人は恋を思ひ、友ある人は友を
懐
(
おも
)
ひ、春の愁と云はるる「無聊の圧迫」を享けて、何処かしら
遁路
(
にげみち
)
を求めむとする。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
何處
(
どこ
)
か
遁路
(
にげみち
)
をと
思
(
おも
)
つて
探
(
さが
)
しましたが、
不思議
(
ふしぎ
)
にも、
見
(
み
)
つからないやうには
何處
(
どこ
)
へも
行
(
ゆ
)
かれませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
彼女は、ここまで来ても
遁路
(
にげみち
)
のなかったのを知らされたような沈着を心に感じた。病気に、心と心との撃ち合う音のない争いをやめさせる力は、なかった。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
支倉が窮余の極、漸く一方に
遁路
(
にげみち
)
を開いた苦肉の策だった電車未開通説は物の美事に打ちのめされたのだ。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
神がこの世にいますなら、どうか
救
(
たす
)
けてください、どうか
遁路
(
にげみち
)
を教えてください。これからはどんな難儀もする! どんな善事もする! どんなことにも
背
(
そむ
)
かぬ。
一兵卒
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
驚きてわが走り寄る時、
遁路
(
にげみち
)
あきたれば潜り抜けて、猫は飛び出で、遠く走る音して
寂然
(
ひっそ
)
となりたり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平一郎はそこに設けられた慈愛の
遁路
(
にげみち
)
を感づいたけれど、超意思的に「いいえ」と答えてしまった。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
その幻の墓が見えるところまで
堕
(
お
)
ちて行く前には、彼は恥ずべき
自己
(
おのれ
)
を一切の知人や
親戚
(
しんせき
)
の眼から隠すために種々な
遁路
(
にげみち
)
を考えて見ないでもなかった。知らない人ばかりの遠い島もその一つであった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
相「
何方
(
どちら
)
へか
遁路
(
にげみち
)
はございませんか」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『それは
狹
(
せま
)
い
遁路
(
にげみち
)
だつたのよ!』と云つて
愛
(
あい
)
ちやんは、
急
(
きふ
)
な
變化
(
かはりかた
)
には
一方
(
ひとかた
)
ならず
驚
(
おどろ
)
かされましたが、それでも
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
の
然
(
さ
)
うして
其處
(
そこ
)
に
在
(
あ
)
つたことを
大層
(
たいそう
)
悦
(
よろこ
)
んで
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其處
(
そこ
)
へ
遁路
(
にげみち
)
を
拵
(
こしら
)
へ
置
(
お
)
く、
間道
(
かんだう
)
の
穴兵糧
(
あなびやうらう
)
、
件
(
くだん
)
の
貯蓄
(
たくはへ
)
の
留桶
(
とめをけ
)
の
水
(
みづ
)
を、
片手
(
かたて
)
にざぶ/\、と
遣
(
や
)
つては、ぶく/\、ざぶ/\と
遣
(
や
)
つては、ぶく/\、
小兒
(
こども
)
の
爪尖
(
つまさき
)
、
膝
(
ひざ
)
から、
股
(
また
)
、
臍
(
へそ
)
から
胸
(
むね
)
、
肩
(
かた
)
から
咽喉
(
のど
)
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大袈裟
(
おおげさ
)
に言えば、それこそ、さあ、と云う時、
遁路
(
にげみち
)
の無い位で。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遁
漢検準1級
部首:⾡
13画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“遁”で始まる語句
遁
遁世
遁走
遁出
遁辞
遁込
遁甲
遁逃
遁走曲
遁帰