“遁出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にげだ80.0%
にげい6.7%
のがれい6.7%
にげ3.3%
にげいだ3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うぬ野狐、またせた。と得三室外へ躍出づれば、ぱっと遁出にげだす人影あり。廊下の暗闇やみに姿を隠してまた——得三をぞ呼んだりける。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
折よく外にも人ありて妹をいだきて遁出にげいでたれば、嬉しやお藤は助かりぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
遁出のがれいでむとするにそのすべなく、すること、なすこと、人見て必ず、眉をひそめ、あざけり、笑い、いやしめ、ののしり、はたかなしみ憂いなどするにぞ、気あがり、心激し、ただじれにじれて
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
右手の一方は甥の若いのが遣り放し、散らかし放題だが、まだその方へ入ってくれればよかったものをと、さながら遁出にげしたあとの城を、乗取のっとられたようなありさまで。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あわれ乞食僧はとどめを刺されて、「痛し。」と身体からだ反返そりかえり、よだれをなすりて逸物いちもつ撫廻なでまわし撫廻し、ほうほうのていにて遁出にげいだしつ。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)