遁出にげ)” の例文
右手の一方は甥の若いのが遣り放し、散らかし放題だが、まだその方へ入ってくれればよかったものをと、さながら遁出にげしたあとの城を、乗取のっとられたようなありさまで。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)