“卑”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
いや61.0%
ひく20.6%
いやし11.0%
さも3.1%
ヒク1.3%
さげす0.9%
いやしゅ0.4%
けな0.4%
さもし0.4%
0.4%
(他:1)0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“卑”を含む作品のジャンル比率
文学 > 英米文学 > 小説 物語12.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語3.5%
文学 > 日本文学 > 詩歌1.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
趣味の何物たるをも心得ぬ下司下郎げすげろうの、わがいやしき心根に比較していやしむに至っては許しがたい。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
田島は、キヌ子を憎むあまりに、ほとんど人間ばなれのしたケチないやしい計画を立て、果して、死ぬほどの大難に逢うに到った。
グッド・バイ (新字新仮名) / 太宰治(著)
普通の武士ならば、相手が誰であらうと、身分のひくいものであればあるほど、無礼の程は容赦をしなかつた時代であります。
大帝其前に立ち、辞をひくうして云ふやう、我が尊敬する哲人よ、君し何等か欲する所あらば、願くは我に言へよかし。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
閣下、並に夫人、予は過去に於て殺人罪を犯したると共に、将来に於ても亦同一罪悪を犯さんとしたるいやしむ可き危険人物なり。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
若い者などが、たまたま江戸弁などを使ってみせると、家中では、何だ折助みたような言葉づかいをする——といっていやしめる。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
が、画かき根性を脱していて、画料をむさぼるようなさもしい心が微塵もなかった代りに、製作慾もまた薄かったようだ。
それと同時に、何がなしに此の老人が、頭の二つや三つ擲つてやつてもい程さもしい人間のやうに思はれて来た。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此はいけぬ、と思つた。同時に、此オクれた氣の出るのが、自分をヒクくし、大伴氏を、昔の位置から自ら蹶落す心なのだ、と感じる。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
此はいけぬ、と思つた。同時に、此オクれた氣の出るのが、自分をヒクくし、大伴氏を、昔の位置から自ら蹶落す心なのだ、と感じる。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
関ヶ原以来八十石が、未だ八十石だ。それもよい。我慢のならぬのは、家柄、門閥——薄のろであろうと、頓馬とんまであろうと、家柄がよく、門閥でさえあれば、吾々微禄者はその前で、土下座、頓首せにゃあならぬ。郷士の、紙漉かみすき武士の、土百姓のと、さげすまれておるが、器量の点でなら、家中、誰が吾々若者に歯が立つ。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
あれから七年此の方、自分と、ああなってうなったという筋道を知っているが為に、人をさげすんでそんなことを言うが、仮令見る影もない貧乏な生計くらしをして来ようとも、また其の間が何ういう関係であったろうとも、かりそめにも人の妻でいたものをつかまえて、「彼奴も、一つ俺が口説いたら何うだろう。」とは何だ。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
けだし自らいやしゅうしたるものだとわざるを得ぬ。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
主人をけなすという心は一時にわき上る。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その白い、かがめた背筋と、桃色になった湯の中ののあたりが、さもしい事だが、想像されて。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
文壇ぶんだん論陣ろんぢん今やけい亂雜らんざつ小にながれて、あくまでも所信しよしん邁進まいしんするどう々たる論客きやくなきをおもふ時、泡鳴ほうめいさんのさうした追憶ついおくわたしにはふかい懷しさである。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
まあ、黙って。そこで、おかしい事があるんです。このアルトゥールがどこで女に失敗するかというと、その熱心さがあんまり気狂いみているというんです。ここにいるロザリもエレンも、一度はその気狂い染みた恋愛の相手になったのですが、女たちの話をくと、甘えてり下ってしようがないというんです。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)