“卑吝”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひりん88.9%
けち11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
隠居した後も、道を行きつつ古草鞋ふるわらじを拾って帰り、水に洗い日にさらして自らきざみ、出入の左官に与えなどした。しかし伊兵衛は卑吝ひりんでは無かった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それからまた一方には体面上卑吝ひりんの名を取りたくないと云う心もちがある。しかも、彼にとって金無垢の煙管そのものは、決して得難い品ではない。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
すると、誰れも口をつぐんでしまって知らぬ顔をする。私はカッとなった。で、自分一人でその金を払おうかと思ったが、この田舎漢いなかもの卑吝けちな奴達のお先に使われるような気がして止した。
黄昏 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)