“ひりん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
卑吝42.1%
鄙吝31.6%
比倫10.5%
比隣10.5%
賁臨5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それからまた一方には体面上卑吝ひりんの名を取りたくないと云う心もちがある。しかも、彼にとって金無垢の煙管そのものは、決して得難い品ではない。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
鄙吝ひりんでもあったろうが、鄙吝よりは下女風情に甘くめられてはというむずかし屋の理窟屋の腹の虫が承知しないのだ。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
不快にさせる位だ。いくら鳶が鳴いたからと云つて、天日の歩みが止まるものではない。己の八犬伝は必ず完成するだらう。さうしてその時は、日本が古今に比倫ひりんのない大伝奇を持つ時だ。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
家々に新穀を以て秋の酒をかもすことを制止せられて後、久しからずしてこの祭の日に干渉が下り、強制を以て比隣ひりんの祭の日を同じ日に変更させ、往来の余裕なからしめたのが地方官の手柄であった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
尋で榛軒は諸友を招いて宴を開き、柏軒をしてかたはらに侍せしめ、衆に告げて云つた。今日諸君の賁臨ひりんを煩はしたのは、弊堂に一の大いに喜ぶべき事があつて、諸君に其慶を分たむがためである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)