“となり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
42.9%
隣家36.8%
隣室10.8%
隣席2.9%
1.9%
隣社1.0%
隣屋0.6%
比隣0.3%
近隣0.3%
鄰家0.3%
0.3%
0.3%
隣地0.3%
隣店0.3%
隣座0.3%
隣座敷0.3%
隣邸0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いとな七日々々なぬか/\追善供養つゐぜんくやうも心の及ぶだけはつとめしが何分男の手一ツでをさなき者の養育やういく當惑たうわくひるは漸く近所きんじよとなりもらちゝなどしよる摺粉すりこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
家内のことばかり言うと家内を恐れているように誤解されるかも知れないが、実は先月一軒置いて隣家となりへ囲いものが越して来たのさ。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「杜鵑之介といったようじゃな? 杜鵑之介! 杜鵑! そうして今は暁だ! 隣室となりでは嘔吐へどを吐いている。よし! 出来た!」
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
繃帶はうたいのぞいたくちびるが、上下うへしたにべろんといて、どろりとしてる。うごくと、たら/\とうみれさうなのが——ちやういてた——わたしたちの隣席となりへどろ/\とくづかゝつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つい、となり十四五人じふしごにんの、ほとん十二三人じふにさんにん婦人ふじん一家いつかは、淺草あさくさからはれ、はれて、こゝにいきいたさうである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つやつゝみのしらべ、三味さみ音色ねいろことかゝぬ塲處ばしよも、まつりは別物べつものとりいちけては一ねんにぎはひぞかし、三島みしまさま小野照をのてるさま、お隣社となりづからけまじのきそこゝろをかしく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見透みとほしうら小庭こにはもなく、すぐ隣屋となり物置ものおきで、此處こゝにも犇々ひし/\材木ざいもく建重たてかさねてあるから、薄暗うすぐらなかに、鮮麗あざやかその淺黄あさぎ手絡てがら片頬かたほしろいのとが、拭込ふきこむだはしらうつつて、トると露草つゆぐさいたやうで
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
比隣となりのワラキア人はやはり翼とときつめあり、焔と疫気を吐く動物としおる由を言い、くだんドラコンてふ巨人に係る昔話を載す。
近隣となりの水を当座は貰つて使つたが、何れも似寄つた赤土水である。墓向ふの家の水を貰ひに往つた女中が、井をのぞいたらごみだらけ虫だらけでございます、と顔をしかめて帰つて来た。
水汲み (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
鄰家となりはと、あなからすこし、はなさきして、のぞくと、おなじやうに、提灯ちやうちん家族みんなそでつゝんでる。たましひなんど守護しゆごするやうに——
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あけしに驚きさす旅宿屋やどやの主人だけよひことわりもなき客のきふに出立せしはいかにも不審ふしんなりとて彼の座敷をあらためしにかはる事もなければとなり座敷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
トお種さんが、となりのお三輪にもかくしたそうに
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
奥で、物音だけが暫くひそかにしていたが、やがて庭境の塀のやぶれをくぐって、隣地となりの大宗寺の林から丘へ逃げのぼった。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老奥方おばあさんのお辞儀は段々ふえて、売れ高はグングン減ってゆくが、そんな事に頓着とんじゃくのない老媼おばあさん隣店となりの売行きを感嘆して眺め、ホクホクしていう。
隣座となりの米倉丹後にささやいてにこにこ笑っている。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「だけど……お澄さんあともう十五分か、二十分で隣座敷となりへ行ってしまわれるんだと思うと、なさけない気がするね。」
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くて其の月も過ぎて八月の三日となり、いよ/\明日あすはお休みゆえ、殿様と隣邸となりの次男源次郎と中川へつりく約束の当日なれば、孝助は心配をいたし