“拭込”の読み方と例文
読み方割合
ふきこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……宿へ着いたのは、まだ日のたかいうちだったのです。下座敷の十畳、次に六畳の離れづくりで、広い縁は、滑るくらい拭込ふきこんでありました。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
妾宅はあがかまちの二畳を入れて僅か四間よまほどしかない古びた借家しゃくやであるが、拭込ふきこんだ表の格子戸こうしど家内かない障子しょうじ唐紙からかみとは、今の職人の請負うけおい仕事を嫌い、先頃さきごろまだ吉原よしわらの焼けない時分
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
年頃拭込ふきこんだ板敷いたじきが向側の窓の明障子あかりしやうじの光線で水を流した様に光る。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)