“音色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねいろ93.7%
トーンカラー1.6%
おんしよく0.8%
おんしょく0.8%
こわね0.8%
チンパー0.8%
トンカラー0.8%
ネイロ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ、その証拠しょうこに、もはや、このオルガンの音色ねいろうみうえをころがっても、さかなが、波間なみまねるようなことはなかったのであります。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どうしても想像することの出来ない妖艶極まる音色トーンカラーが、エルマンやクライスラーをレコードで聴き馴れた我々にとっては、全く一つの驚きにほかならなかったのである。
幾度いくどけてもチヤンと、存生中ぞんしやうちゆう物言ものいとほり、音色おんしよくはつするのだから其人そのひとふたゝ蘇生よみかへつ対話たいわでもするやうな心持こゝろもちになるのだから、おほきにこれ追善つゐぜんためからうと考へられまする。
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
そうするとこの缶は形の割合には大きい音をたてて、グワーンと、ややしばらくは鳴り響いているだろう。強く叩けば更に大きい音響を発する。しかしその音色おんしょくは、いつも同じものである。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いずれも唇をへの字に結び、うわ目でじろじろタヌを見あげながら、むっつり押し黙っているばかり。タヌがロマンチックな音色こわねで、いろいろ愛想をすればするほど、じりじりと後退あとしざりをする。
近いピストルの音と遠いピストルの音との差は、単なる強度インテンシテイの差でなくて著しい音色チンパーの差である。
耳と目 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
耳元の囁やきは青白くふるえました。が、何んと言う、それは素晴らしい音色トンカラーでしょう。
法悦クラブ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ことばの音色ネイロやあくせんとに導かれて来る地方人の慣性、其を表現せなければ、与兵衛はない訣である。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)