“音声”のいろいろな読み方と例文
旧字:音聲
読み方割合
おんじょう69.2%
おんせい10.3%
のど10.3%
おんじよう2.6%
おんじやう2.6%
こえ2.6%
ものごゑ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぽかと、ひとみを開いたのを見て、弦之丞はきっとなった。そして、彼の薄らぐ魂へも、はっきりとうなずけるような音声おんじょうでこういった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
げいも又みるたれり。寺岡平右ヱ門になりしは客舎かくしやにきたる篦頭かみゆひなり、これも常にかはりて関三十郎に似て音声おんせいもまた天然てんねんと関三の如し。
「お師匠さん、あんた、これからその音声のど芸妓屋げいこやかどで聞かしてお見やす。ほんに、人死ひとじにが出来ようも知れぬぜな。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
澄みて、離れて、落居おちゐたる其音声おんじようすずしさに
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
キャア/\ガン/\ブン/\グヅ/\シク/\、いろ/\な事をして騒ぎ廻つたりした一切の音声おんじやうも、それから馬が鳴き牛がえ、車ががたつき、汽車が轟き、汽船が浪を蹴開く一切の音声も
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
彼は相変らず弱々しい体躯を凭椅子に埋めて新聞を読んでいたが、音声こえだけはいつものように元気だった。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
貴嬢あなたは斎藤の阿関さん、面目も無いこんな姿なりで、背後うしろに目が無ければ何の気もつかずにいました、それでも音声ものごゑにも心づくべきはづなるに、私は余程よつぽどの鈍に成りましたと下を向いて身を恥れば
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)