“観”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
85.2%
かん11.6%
みる1.1%
くわん0.7%
てら0.4%
0.4%
ながめ0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戦争後ある露西亜ロシアの士官がこの陳列所一覧のためわざわざ旅順まで来た事がある。その時彼はこの靴を一目て非常に驚いたそうだ。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
事を、政治として扱うときの彼と、全然、私情でしかない場合の彼とは、まるで別人のかんがある。だらしのないほど、一面はもろい。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
げいも又みるたれり。寺岡平右ヱ門になりしは客舎かくしやにきたる篦頭かみゆひなり、これも常にかはりて関三十郎に似て音声おんせいもまた天然てんねんと関三の如し。
この感じをもう少し強めると、過去は夢としてさへ存在しなくなる。全くの無になつてしまふ。実際近頃のわたくしは時々たゞの無として自分の過去をくわんずる事がしば/\ある。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その不落をほこる城楼も巍峨ぎがたる姿だが、さすが霊山の華岳かがくはもっと神々しい。仙掌せんしょうノ峰、雲台ノてらおのをならべたような石峰。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
て此に至れば、死刑は固より時の法度に照して之を課せる者多きを占むるは論なきも、何人か能く世界万国有史以来の厳密なる統計を持して
死生 (新字新仮名) / 幸徳秋水(著)
一年あるとし夏のなかば驟雨後ゆふだちあとの月影さやかにてらして、北向きたむきの庭なる竹藪に名残なごりしづく白玉しらたまのそよ吹く風にこぼるゝ風情ふぜい、またあるまじきながめなりければ、旗野は村に酌を取らして、夜更よふくるを覚えざりき。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
唯うつとりと、塔のモトから近々と仰ぐ、二上山の山肌に、ウツの目からは見えぬ姿をオモようとして居るのであらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)