“北向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きたむき57.1%
きたむ42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
行水(ぎょうずい)でもつかうように、股(もも)の付根(つけね)まで洗(あら)った松(まつ)五郎(ろう)が、北向(きたむき)の裏(うら)二階(かい)にそぼ降(ふ)る雨(あめ)の音(おと)を聞(き)きながら、徳太郎(とくたろう)と対座(たいざ)していたのは、それから間(ま)もない後(あと)だった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
山田(やまだ)の書斎(しよさい)は八畳(ぢやう)の間(ま)でしたが、其(それ)に机(つくゑ)を相対(さしむかひ)に据(す)ゑて、北向(きたむき)の寒(さむ)い武者窓(むしやまど)の薄暗(うすぐら)い間(ま)に立籠(たてこも)つて、毎日(まいにち)文学の話です、此(こゝ)に二人(ふたり)が鼻(はな)を並(なら)べて居(ゐ)るから石橋(いしばし)も繁(しげ)く訪ねて来る
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
井戸(ゐど)は車(くるま)にて綱(つな)の長(なが)さ十二尋(ひろ)、勝手(かつて)は北向(きたむ)きにて師走(しはす)の空(そら)のから風(かぜ)ひゆう/\と吹(ふき)ぬきの寒(さむ)さ、おゝ堪(た)えがたと竈(かまど)の前(まへ)に火(ひ)なぶりの一分(ぷん)は一時(じ)にのびて
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
門はこの家のは北向(きたむ)きなれど、通例は東向きなり。右の図にて厩舎(うまや)のあるあたりにあるなり。門のことを城前(じょうまえ)という。屋敷(やしき)のめぐりは畠にて、囲墻(いしょう)を設けず。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)