くわん)” の例文
旧字:
この感じをもう少し強めると、過去は夢としてさへ存在しなくなる。全くの無になつてしまふ。実際近頃のわたくしは時々たゞの無として自分の過去をくわんずる事がしば/\ある。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此被告等を自由の民たる位置に置き玉へ。そして諸公と被告等とが同じ時代同じ空間に、天地の成育を受けた同じ生物なりとくわんじ玉へ。誰か諸公の生命を奪はんとするものがあらう。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)