“かく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カク
語句割合
31.4%
12.5%
10.9%
5.5%
5.1%
3.9%
3.5%
3.5%
2.4%
1.2%
1.2%
1.0%
1.0%
1.0%
0.9%
0.9%
0.8%
0.7%
0.7%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.5%
0.5%
0.5%
賈詡0.4%
隠匿0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
隠蔽0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
如是0.2%
佳句0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
秘蔵0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
逝去0.1%
香具0.1%
一廓0.1%
0.1%
反胃0.1%
0.1%
0.1%
如斯0.1%
如此0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
掩隠0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
此如0.1%
歿0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
糊塗0.1%
0.1%
胡笛0.1%
0.1%
0.1%
迦久0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
隱匿0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
妙子にただしてみないことには、彼女がどう云う考でそんなことを云っているのか諒解に苦しむ点が多いのであったが、それはかく
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
茫然ぼんやりしてると、木精こだまさらふぜ、昼間ひるまだつて用捨ようしやはねえよ。)とあざけるがごとてたが、やがいはかげはいつてたかところくさかくれた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これは上野介が浪士の復讐を恐れて、実子上杉弾正大弼綱憲だんじょうだいひつつなのりの別邸にかくまわれているというような風評うわさがあったからにほかならない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
かくの如き商品の贋造は固より奸商のなす処深く咎むるに足らずと雖これを購うものの心理に至っては軽々に看過すべきに非ざるなり。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「全く、知らないです。謂って利益になることなら、何かくすものですか。またちっとも秘さねばならない必要も見出みいださないです。」
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
海戰かいせん午前ごぜん三十ぷんはじまつて、東雲しのゝめころまでをはらなかつた。此方こなた忠勇ちうゆう義烈ぎれつ日本軍艦につぽんぐんかんなり、てき世界せかいかくれなき印度洋インドやう大海賊だいかいぞく
〔譯〕象山しようざんの、宇宙うちうないの事は皆おの分内ぶんないの事は、れ男子擔當たんたうの志かくの如きを謂ふなり。陳澔ちんかう此を引いて射義しやぎちゆうす、きはめてなり。
さる人はかしこくとも、さるわざは賢からじ。こがね六三ななのたからのつかさなり。土にうもれては霊泉れいせんたたへ、不浄を除き、たへなるこゑかくせり。
すすき、天守の壁のうちより出づ。壁の一かくはあたかも扉のごとく、自由に開く、このおんなやや年かさ。鼈甲べっこうの突通し、御殿奥女中のこしらえ。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いまかならずしも(六四)其身そのみこれもらさざるも、しかも((説者ノ))((適〻))かくところことおよばんに、かくごとものあやふし。
一寸ちよつとくつさき團栗どんぐりちたやうなかたちらしい。たゞしその風丰ふうばう地仙ちせんかく豫言者よげんしやがいがあつた。小狡こざかしきで、じろりと
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
主客しゅかくは一である。しゅを離れてかくなく、客を離れて主はない。吾々が主客の別を立てて物我ぶつがきょうを判然と分劃ぶんかくするのは生存上の便宜べんぎである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ですからその後女王がおかくれになったということがチベットに伝わるや、チベット国民は大いに哀悼あいとうの情を表すると同時に
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
一六居士の筆法は、かくを作るとき、一画一画筆先をはなし改めて更に筆を入れる癖が特徴でしたが、私はそういうところが気に入りませんでした。
能書を語る (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
知らない事とておとむらいにも出ませんで、さぞまア御愁傷で、あなたが此方こちらへ入らっしって御安心になっておかくれで、本当にまア旦那様は毎度御贔屓にしてんで下すっても
「小泊瀬山」の「を」は接頭詞、泊瀬山、今の初瀬はせ町あたり一帯の山である。「石城いはき」は石で築いたかくで此処は墓のことである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
かく許り悠然した心地は渠の平生に全くない事であつた。顏には例の痙攣ひきつけも起つて居ない。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
丸の内の一かく赤煉瓦あかれんが貸事務所街のとある入口に、宗像研究室の真鍮しんちゅう看板が光っている。赤煉瓦建ての一階三室が博士の探偵事務所なのだ。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
いとけなき保の廊下に遊嬉いうきするを見る毎に、戯に其臂を執つてこれをむ勢をなした。保は遠く柏軒の来るを望んで逃げかくれたさうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
嚴敷きびしく拷問がうもんに掛られし所つひつゝかくす事能はず是迄の惡事あくじ追々おひ/\白状にぞ及びける又平左衞門が宅を穿鑿せんさくなせしにつかのこりの金子六百兩出たり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
内乱の起る場合 は法王がかくれたとか、あるいはなお幼くしてまつりごとみずからすることが出来んという時に当り、ある大臣がをほしいままにするとか
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
またある学者は、それは枝の変形したものにほかならないととなえた。これらの学者のいう説にはなんらかくたる根拠こんきょはなく、ただ外からた想像説でしかない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
そこを散歩して、己は小さい丘の上に、もみの木で囲まれた低い小屋のあるのを発見した。木立が、何か秘密をおおかくすような工合ぐあいに小屋に迫っている。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)
致しかく宜敷計らひ候はん初瀬留樣にも此程このほどは日毎に御噂おうはさばかりなりと無理むりに手を取り其邊そのあたりなる茶屋へともなさけさかななどいださせて種々馳走ちそう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あんずるに、團子だんご附燒つけやきもつ美味うまいとしてある。鹽煎餅しほせんべい以來このかた江戸兒えどつこあまあまいのをかぬ。が、なにかくさう、わたし團子だんごあんはう得意とくいとする。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それはまあしかたがない。こんな小さな家には、庵ぐらいがちょうどいいよ。かくとかそうとかでは大げさすぎる。はっはっ。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
賈詡かくに命じて、すぐ蘇越へその儀を達せよ、となった。蘇越は召されて後、賈詡の手を経て、設計図をさし出した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも生命いのちから二番目のダイナマイトはなかなか手離さないが、その隠匿かくしどころが亦、実に、驚ろくべく巧妙なものなんだ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
常に他の孤児と一所に居らず暗き隅にかくる、衣を着せると細かく裂いて糸としおわる、数月院にあって熱病に罹り食事を絶って死した。
樽ロケットが隣りへ動くと、こんどはそこに、まん中に一つの動かないかたまりがあり(水素のかくよりも十数倍大きい)、そのまわりに八個の小さい球(電子だ)が、ぐるぐるとまわっていた。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だがさういふ不自由ふじゆう約束やくそく出來できないまへうたると、たとあきかなしくさびしいものだとんでゐても、それがかく個人こじん實際じつさいかんじとして人々ひと/″\むねつよれるのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
やがて彼れ衣嚢かくしを探りいとふとやかなる嗅煙草かぎたばこの箱を取出とりいだし幾度か鼻に当て我を忘れて其香気をめずる如くに見せかくる、れど余はかねてより彼れに此癖あるを知れり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
砕けた浪の白漚しらあわは、銀の歯車を巻いて、見るまに馬の脚を噛み、車輪の半分なかばまでかくした。小さいノアの方舟はこぶねが三つ出来る。浪が退いた。馬は平気で濡れた砂の上を進んで来る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「いや、いったん王道のかくたる御政道がたてば、そういう虫ケラどもがわざをする日蔭はない」
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さざい壺々口つぼつぼぐち莞然にっこと含んだ微笑を、細根大根に白魚しらうおを五本並べたような手が持ていた団扇で隠蔽かくして、はずかしそうなしこなし。文三の眼は俄に光り出す。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
またかくさんと欲する心を示すものは、目、口、鼻など頭の頂上より足の爪先つまさきに至るまで、一つとして我々の性質を現す機会とならぬものはない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
かくれば重四郎はイヤ來たなとは思へども何喰なにくはぬ顏にて是は/\めづらしく御揃ひでよくこそ御入來かたじけなしと挨拶あいさつなすにやがて掃部は聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わしの跡を追掛おっかけて来て富五郎はいるか、かくまったろう、イエ慝まわぬ、居ないといえばじゃア戸棚に居ましょうというので捜しましょう
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
軽躁飄逸けいそうひょういつを喜ぶことになり、正しきためには、自己をも犠牲にせんとする純情よりは一かく千金の富貴と成功を夢むこととなり、いつしか高邁こうまいなる勧学の精神を失うと共に
かくのごとくして一人の打者は三打撃を試むべし。第三打撃の直球ジレクトボール(投者の手を離れていまだ土に触れざる球をいう)バットと触れざる者攫者キャッチャーよくこれをかくし得ば打者は除外アウトとなるべし。
ベースボール (新字新仮名) / 正岡子規(著)
爾さ、曲者が自分の名を書ぬ事は明かだ、かくのはすなわち自分へ疑いの掛らぬ為だから、爾だ他人たじんに疑いを掛けて自分がそれを逃れる為めだから、此名前で無い者が曲者だ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
尼とかく一との、以後の流転るてんなども聞き終り、努めて、むかしの古傷には触れずにいた。
「それをかくかく)の病いというんだ」こんどは又左衛門が冷やかした、「胃のがんの出来るやつさ、藤蔓ふじづるこぶをやぶれば治る」
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
私のそばへ来ない算段ばかり遊ばすのですものを、アノ源さま、こちらのうちでも此の間お嬢様がおかくれになって、今はほか御家督ごかとくがありませんから、是非とも御夫婦養子をせねばなりません
突止つきとめのちかくも取はからはんと富右衞門は其まゝ入牢申渡されける是より大岡殿組下くみしたの同心へ申付られ在方ざいかたの樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
をくを造るに巧妙たくみなりし達膩伽尊者たにかそんじやの噂はあれど世尊在世の御時にも如是かく快き事ありしを未だきかねば漢土からにもきかず、いで落成の式あらば我を作らむ文を作らむ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
佳句かくを得て佳句をあたわざるをうらみてか、黒くゆるやかに引けるまゆの下より安からぬ眼の色が光る。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これまでにも、芳太郎がちょくちょくここへかくまわれていたことも言い出された。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「それをかくかく)の病いというんだ」こんどは又左衛門が冷やかした、「胃のがんの出来るやつさ、藤蔓ふじづるこぶをやぶれば治る」
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「辻浄瑠璃」巧緻を極めたりしも遂に「風流仏」にかくす可き様もなし。
ひさしのもとにゆかありて浅き箱やうのものに白くかくなる物をおきたるは、遠目とほめにこれ石花菜ところてんを売ならん、口にはのぼらずとおもひながらも
他日の議論に讓て暫く筆をかくし、爰に我輩が端を改めて專ら陳述せんと欲するものは、舊來我國に固有する文明の事物を保存せんとするの一事にして、又重ねて帝室に依頼せざるを得ざるなり。
帝室論 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
宿場しゆくばとなふところは家のまへひさしを長くのばしてかくる、大小の人家じんかすべてかくのごとし。雪中はさら也、平日も往来ゆきゝとす。これによりて雪中のちまたは用なきが如くなれば、人家の雪をこゝにつむ
しかし、『八島』は本多鋼鉄でこしらえたふねではない。そのはがねは『最上』なんかよりは、弱いのだ。深い深い海の底では、水の重さにされてかく(潜水艦の胴体)が、みしりみしりと変な音を立てる。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
というは、昔英国の五月節会に大流行だったモリスダンスのホッビー・ホールスとて頭と尾は木造で彩色し、胴は組み合せで騎手の腰に合せ、下に布を垂れてその脚をかくす造馬がそれによく似居る。
いつも母がそれお人がいらしツた、はやくかくれよ、それそちらへと、納戸へ逐ひ遣らるるが習はしとなつておりましたから、人を見る目などはなかなかもつておりませんでした。
こわれ指環 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
また軍を興して、都夫良意美つぶらおみ一六が家をかくみたまひき。ここに軍を興して待ち戰ひて、射出づる矢あしの如く來散りき。
(その王子の作れる矢は、今時の矢なり。そを穴穗箭といふ。)穴穗の御子みこ軍を興して、大前小前の宿禰の家をかくみたまひき。ここにそのかなと一八に到りましし時に大氷雨ひさめ降りき。
湖と山とに囲まれて先祖の宝が秘蔵かくされてある。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
先祖の宝が秘蔵かくされてある
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
また天皇、三宅みやけむらじ等が祖、名は多遲摩毛理たぢまもりを、常世とこよの國に遣して、時じくのかくを求めしめたまひき。
「常世の國の時じくのかくを持ちまゐ上りてさもらふ」とまをして遂におらび死にき。
姫の屍体もまたプリゴネと称する薬草の液に浸し麝香草じゃこうそうの花を詰めて腐敗をふせぎ、金銀を象嵌ぞうがんしたる瑪瑙めのうの寝棺に納め、さらにこれを桃金花てんにんかの木にて造れるかくに入れ
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
亡骸なきがらはプリゴネと称する薬草の液に浸し、麝香草じゃこうそうの花を詰めて腐敗をふせぎ、金銀を象嵌ぞうがんしたる瑪瑙めのうの寝棺に納め、さらにこれを桃金花てんにんかの木にてつくれるかくに入れ、薬蝋やくろうをもって密封し
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
西なる山にかくるれど
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
かくれぬかげ天雲あまぐも
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
両親が早く亡くなったので、五歳になる弟のかく、幼な名を双璧そうへきというのを養うことになったが、生れつき友愛の情に厚いので、自分の子供のようにして世話をした。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ある日かくは一人で郊外に遊びにいっていたところで、十五、六に見える一人の女郎むすめに遇った。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
手前の考えでは若様はだお四才よっつかお五才いつゝ御頑是ごがんぜもなく、何わきまえない処のお子様でございますから、万々一まん/\いち大殿様がお逝去かくれに相成った時には
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
奥様の方から無理に勧めて置いたお秋様がもうけました若様が、お三歳みっつという時に奥様がお逝去かくれになりましたから、お秋様はお上通かみどおりと成り、お秋の方という。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
竜興の娘の妙子というのは、これもまた癩病の筋で、一時は南蛮寺の救癩院にひそんでいたが、そこにも居着かれず、香具かくと名を変えて伊豆の近くに住んでいたとも聞いている。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
聖山からこっそり逢いに来る母の香具かくの気ぜわしい愛撫のほか、人間の愛情というものを知らずに育ったが、五年前、足利学校へ追いやられる頃から、母がぷっつりと来ないようになった。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一廓かく、富士見稲荷鎮守の地につき、家々の畜犬堅く無用たるべきものなり。地主。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さらば又と来ざらんやうに逐払おひはらふべき手立てだてのありやと責むるに、害をすにもあらねば、宿無犬やどなしいぬの寝たると想ひてこころかくるなとのみ。こころくまじき如きをことさらに夫には学ばじ、と彼は腹立はらだたしく思へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
虎膏は狗噛瘡を治し、下部にいれれば痔病で血下るを治し、内服せば反胃かくを治し、煎消して小児の頭瘡白禿しらくもに塗ると『本草』に見ゆ。よろしくって見なさい。だが虎膏は皮より一層むつかしい尋ね物だ。
「おのれ、長二ツ」と篠田は我と我が心を大喝だいかつ叱咜しつたして、かくとばかりまなこを開けり、重畳ちようでふたる灰色の雲破れて、武甲ぶかふの高根、雪に輝く
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
小規模で浅く掘り上げたる土を以て身をかくすだけのどてを築くとは大いに異なり、地中に深く鼴鼠もぐらの如く穴を掘り一丈も二丈も下に潜むというから、かくの如き生活の人体に影響するところ大なるべく
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
此所は大日流布だいにちるふの大師の生れさせ給ひたる地にも近く、何と無く心とゞまりて如斯かく草庵を引きむすび、称名しようみやうの声のうちには散乱の意を摂し、禅那ぜんなの行のひまには吟咏のおもひに耽り悠〻自ら楽むに
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
種彦は、江戸で二月八日御事始おことはじめに笊を門口に懸けた旧俗をくとて、昔より目籠は鬼の怖るるといい習わせり、これは目籠の底の角々は☆如此かく晴明九字(あるいは曰く晴明の判)という物なればなり。
受納じゆなふなせしは即ち賄賂也わいろなり下役黒崎又左衞門市田武助其方共も受納じゆなふ致せしならんと有に兩人は今上役の理左衞門が白状なせし上はかくすもえきなしと思ひ上役の申付に違背ゐはいも如何と存じ金三兩づつ受納せしと言ければ大岡殿假令上役の申付なりとて不正ふせいの金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此れは前の句から推して『何如んぞ富まむや』『如何ぞ智ならむや』『何如ぞかくれんや』『申韓を如何にせむ』と讀まなくてはならぬことは明らかで
孔子と管仲 (旧字旧仮名) / 狩野直喜(著)
かくみやつきのかげせしひと夜ゆゑ恋ひつゝわびぬこの年頃を(残紅)
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
今更おかくしなさるには及びませんさ。若い男と女が一間ひとまに入つて、取付とつつ引付ひつつきして泣いたり笑つたりしてをれば、訳は大概知れてをるぢや御座いませんか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そこだけの一かくを取りあえず伐木して、下草をぎ払った。それが主君邦夷の来着を待つ用意であった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
すると父のそばにいたまだ六歳の諸葛かくが、いきなり筆を持って庭へとび降り、の前に背伸びして、その面の四文字の下へ、また二字を書き加えた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
船の行手に、拳程の白い雲が湧いたと思ふと、見る間にそれが空一面に擴つて、金色の太陽をかくして了つた。——よく見ると、それは雲ぢやなかつた。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
御頭は焼落ちて大地に有り、御身は鎔合わきあひて山のごとし、八万四千の相好は、秋の月早く五重の雲に掩隠かくれ、四十一地の瓔珞やうらくは、夜の星むなしく十悪の風に漂ふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
かくとも正體は有まじ豫ての怨みを晴すは此時なりと常に案内知たる事なればまづ納戸なんどいたり喜内が衣類と金子二百兩を取出し一包にして夫よりそつと雨戸一枚を外しおきくだんの包を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これはかくれたる蘭軒のすゑが顕れたる山陽に対する当然の情であらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
最も清きもの最も愛すべきものには朝より夕まで、月みちてより月かくるまで、彼の視線は一小屋しょうおくの壁に限られ、聴くべきものとては彼の援助たすけを乞う痛めるものの声あるのみ
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
起きよ、我儕われら往くべし。我をわたすもの近づきたり、此如かくいへるとき十二の一人ひとりたるユダつるぎと棒とを持ちたる多くの人人とともに祭司のをさと民の長老としよりもとより来る。
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ヘエ/\寝度ねたくないので、貴方は段々承ると、しかるべき処の、お高も沢山お取り遊ばしたお武家の嬢様だが、御運悪く水街道へいらっしゃいまして、御親父様ごしんぷさまがお歿かくれになって
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
われく、明帝めいてい洛水らくすゐあそべることあり。なみあをくして白獺はくだつあり。妖婦えうふよくするがごとにしてあいし。ひといたるをるや、こゝろあるごとくしてたゞちにかくる。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
濁流の渦巻うずまく政界から次第に孤立して終にピューリタニックの使命にかくれるようになったは畢竟ひっきょうこの潔癖のためであった。が、ドウしてYに対してのみ寛大であったろう。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
王五は逃れてかく県にゆくと、路は狭く、溝は深く、わずかに一人が通られるだけの小さい橋が架けられていた。その橋のまんなかに逞ましい牛が眼を怒らせて伏していて、近づけばつのを振り立てる。
李時珍曰く〈その類数種あり、小にして尾短きはこうなり、猴に似て髯多きはきょなり、猴に似て大なるはかくなり。大にして尾長く赤目なるはぐうなり。小にして尾長く仰鼻なるはゆうなり。
つて、それがだいそうぞくする舊貝塚きふかひづか(といふもへんだが)ともおもはれぬ。何故なぜならば、はいこんじて、細密さいみつくだかれたる貝殼かひがらが、貝層中かひそうちうに一せんかくして、またそうしてるからである。
素盲の金五郎、すわといえば直ぐに立つ軽装を、巧みに合羽で糊塗かくしている。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
すなわちその法を以て具さに四人に授く。四人法に依りて此の薬を和合し、自ずからその身をかくし、游行自在なり。すなわち共に相ひきいて、王の後宮に入る。
松火の見えている沙丘の前面てまえから、鋭い胡笛かくの音が響いて来た。歩哨の兵が吹いたのでもあろう。と、そこからときの声が起こった。
沙漠の美姫 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
漢名かんめい(中国名のこと)の淫羊藿いんようかくき、中国の説では、羊がこの葉(かく)を食えば、一日の間に百ぺん雌雄しゆう相通あいつうずることができる効力を持っていると信ぜられている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
何事なにごと外國人ぐわいこくじんせつ妄信まうしんする日本人にほんじんは、これをいておほいに感服かんふくしたもので、識見しきけん高邁かうまいせうせられた岡倉をかくらかくごときも
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
またその天の尾羽張の神は、天の安の河の水をさかさまきあげて、道を塞き居れば、あだし神はえ行かじ。かれことに天の迦久かくの神を遣はして問ふべし
かく某はかつて湖広の某郡の推官すいかんとなっていた。ある日、捕盗の役人を送って行って、駅舎に一宿した。
嫜の方の朝夕ちょうせきの見舞をかくべからず。嫜の方のつとむべきわざおこたるべからず。若し嫜のおおせあらばつつしみおこなひてそむくべからず。よろずのこと舅姑に問ふて其教にまかすべし。嫜若し我をにくみそしりたまふともいかりうらむること勿れ。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
日枝ひえ神社の山王祭と共に、御用祭又は天下祭と言はれ、かく年に行はれたこの威儀は、氏子うぢこ中の町々を興奮の坩堝るつぼにし、名物の十一本の山車だしが、人波を掻きわけて、警固の金棒の音、木遣きやりの聲
隣りの婆さんといふのは、赤痢に罹ツたのを一週間も隱匿かくしてゐて、昨日の午後避病院に擔込かつぎこまれたのであツた。避病院は、つい近所にある。坐ツてゐても消毒室の煙突だけは見える。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
手は刀を離さず、必死となっ夢我むが夢中、きらめくやいばは金剛石の燈下にまろぶ光きら/\截切たちきる音はそらかく矢羽やばねの風をる如く、一足退すさって配合つりあいただす時はことの糸断えて余韵よいんのある如く、こころ糾々きゅうきゅう昂々こうこう
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)