“かく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カク
語句割合
角31.4%
隠12.5%
匿10.9%
斯5.5%
秘5.1%
隱3.9%
此3.5%
蔵3.5%
劃2.4%
是1.2%
格1.2%
客1.0%
崩1.0%
画1.0%
亡0.9%
廓0.9%
恁0.8%
郭0.7%
躱0.7%
藏0.6%
薨0.6%
確0.6%
蔽0.6%
右0.5%
祕0.5%
閣0.5%
賈詡0.4%
隠匿0.3%
竄0.3%
核0.3%
各0.3%
掛0.3%
没0.3%
赫0.3%
隠蔽0.2%
廋0.2%
懸0.2%
慝0.2%
掴0.2%
攫0.2%
書0.2%
覚0.2%
鶴0.2%
逝0.2%
左0.2%
如是0.2%
佳句0.2%
囲0.2%
膈0.2%
較0.2%
方0.1%
擱0.1%
架0.1%
殻0.1%
覆0.1%
陰0.1%
圍0.1%
秘蔵0.1%
香0.1%
槨0.1%
沒0.1%
珏0.1%
逝去0.1%
香具0.1%
一廓0.1%
介0.1%
反胃0.1%
嚇0.1%
垜0.1%
如斯0.1%
如此0.1%
密0.1%
寢0.1%
幽0.1%
庾0.1%
廊0.1%
恪0.1%
掩0.1%
掩隠0.1%
掻0.1%
晦0.1%
欠0.1%
此如0.1%
歿0.1%
潛0.1%
潜0.1%
潡0.1%
玃0.1%
畫0.1%
糊塗0.1%
翳0.1%
胡笛0.1%
藿0.1%
覺0.1%
迦久0.1%
郝0.1%
闕0.1%
隔0.1%
隱匿0.1%
駈0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
妙子に質(ただ)してみないことには、彼女がどう云う考でそんなことを云っているのか諒解に苦しむ点が多いのであったが、それは兎(と)に角(かく)
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
(茫然(ぼんやり)してると、木精(こだま)が攫(さら)ふぜ、昼間(ひるま)だつて用捨(ようしや)はねえよ。)と嘲(あざけ)るが如(ごと)く言(い)ひ棄(す)てたが、軈(やが)て岩(いは)の陰(かげ)に入(はい)つて高(たか)い処(ところ)の草(くさ)に隠(かく)れた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
これは上野介が浪士の復讐を恐れて、実子上杉弾正大弼綱憲(だんじょうだいひつつなのり)の別邸に匿(かく)まわれているというような風評(うわさ)があったからにほかならない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
斯(かく)の如き商品の贋造は固より奸商のなす処深く咎むるに足らずと雖これを購うものの心理に至っては軽々に看過すべきに非ざるなり。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「全く、知らないです。謂って利益になることなら、何秘(かく)すものですか。またちっとも秘さねばならない必要も見出(みいだ)さないです。」
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
海戰(かいせん)は午前(ごぜん)二時(じ)三十分(ぷん)に始(はじま)つて、東雲(しのゝめ)の頃(ころ)まで終(をは)らなかつた。此方(こなた)は忠勇(ちうゆう)義烈(ぎれつ)の日本軍艦(につぽんぐんかん)なり、敵(てき)は世界(せかい)に隱(かく)れなき印度洋(インドやう)の大海賊(だいかいぞく)。
〔譯〕象山(しようざん)の、宇宙(うちう)内(ない)の事は皆己(おの)れ分内(ぶんない)の事は、此(こ)れ男子擔當(たんたう)の志此(かく)の如きを謂ふなり。陳澔(ちんかう)此を引いて射義(しやぎ)を註(ちゆう)す、極(きは)めて是(ぜ)なり。
さる人はかしこくとも、さる事(わざ)は賢からじ。金(こがね)は六三七(なな)のたからの最(つかさ)なり。土に瘞(うも)れては霊泉(れいせん)を湛(たた)へ、不浄を除き、妙(たへ)なる音(こゑ)を蔵(かく)せり。
薄(すすき)、天守の壁の裡(うち)より出づ。壁の一劃(かく)はあたかも扉のごとく、自由に開く、この婦(おんな)やや年かさ。鼈甲(べっこう)の突通し、御殿奥女中のこしらえ。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
未(いま)だ必(かなら)ずしも(六四)其身(そのみ)之(これ)を泄(もら)さざるも、而(しか)も((説者ノ))語(ご)((適〻))其(そ)の匿(かく)す所(ところ)の事(こと)に及(およ)ばんに、是(かく)の如(ごと)き者(もの)は身(み)危(あやふ)し。
一寸(ちよつと)、靴(くつ)の先(さき)へ團栗(どんぐり)の實(み)が落(お)ちたやうな形(かたち)らしい。但(たゞ)しその風丰(ふうばう)は地仙(ちせん)の格(かく)、豫言者(よげんしや)の概(がい)があつた。小狡(こざか)しき目(め)で、じろりと視(み)て
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
主客(しゅかく)は一である。主(しゅ)を離れて客(かく)なく、客を離れて主はない。吾々が主客の別を立てて物我(ぶつが)の境(きょう)を判然と分劃(ぶんかく)するのは生存上の便宜(べんぎ)である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ですからその後女王がお崩(かく)れになったということがチベットに伝わるや、チベット国民は大いに哀悼(あいとう)の情を表すると同時に
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
一六居士の筆法は、画(かく)を作るとき、一画一画筆先をはなし改めて更に筆を入れる癖が特徴でしたが、私はそういうところが気に入りませんでした。
能書を語る (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
知らない事とてお吊(とむら)いにも出ませんで、嘸(さぞ)まア御愁傷で、あなたが此方(こちら)へ入らっしって御安心になってお亡(かく)れで、本当にまア旦那様は毎度御贔屓にして招(よ)んで下すっても
「小泊瀬山」の「を」は接頭詞、泊瀬山、今の初瀬(はせ)町あたり一帯の山である。「石城(いはき)」は石で築いた廓(かく)で此処は墓のことである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
恁(かく)許り悠然した心地は渠の平生に全くない事であつた。顏には例の痙攣(ひきつけ)も起つて居ない。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
丸の内の一郭(かく)、赤煉瓦(あかれんが)貸事務所街のとある入口に、宗像研究室の真鍮(しんちゅう)看板が光っている。赤煉瓦建ての一階三室が博士の探偵事務所なのだ。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
幼(いとけな)き保の廊下に遊嬉(いうき)するを見る毎に、戯に其臂を執つてこれを噬(か)む勢をなした。保は遠く柏軒の来るを望んで逃げ躱(かく)れたさうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
嚴敷(きびしく)拷問(がうもん)に掛られし所終(つひ)に包(つゝ)み藏(かく)す事能はず是迄の惡事(あくじ)追々(おひ/\)白状にぞ及びける又平左衞門が宅を穿鑿(せんさく)なせしに遣(つか)ひ殘(のこ)りの金子六百兩出たり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
内乱の起る場合 は法王が薨(かく)れたとか、あるいはなお幼くして政(まつりごと)を親(みずか)らすることが出来んという時に当り、ある大臣が威(い)をほしいままにするとか
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
またある学者は、それは枝の変形したものにほかならないと唱(とな)えた。これらの学者のいう説にはなんら確(かく)たる根拠(こんきょ)はなく、ただ外から観(み)た想像説でしかない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
そこを散歩して、己は小さい丘の上に、樅(もみ)の木で囲まれた低い小屋のあるのを発見した。木立が、何か秘密を掩(おお)い蔽(かく)すような工合(ぐあい)に小屋に迫っている。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)
致し左(と)に右(かく)宜敷計らひ候はん初瀬留樣にも此程(このほど)は日毎に御噂(おうはさ)ばかりなりと無理(むり)に手を取り其邊(そのあた)りなる茶屋へ伴(ともな)ひ酒(さけ)肴(さかな)など出(いだ)させて種々馳走(ちそう)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
案(あん)ずるに、團子(だんご)は附燒(つけやき)を以(もつ)て美味(うま)いとしてある。鹽煎餅(しほせんべい)以來(このかた)、江戸兒(えどつこ)は餘(あま)り甘(あま)いのを好(す)かぬ。が、何(なに)を祕(かく)さう、私(わたし)は團子(だんご)は饀(あん)の方(はう)を得意(とくい)とする。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「それはまあしかたがない。こんな小さな家には、庵ぐらいがちょうどいいよ。閣(かく)とか荘(そう)とかでは大げさすぎる。はっはっ。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
賈詡(かく)に命じて、すぐ蘇越へその儀を達せよ、となった。蘇越は召されて後、賈詡の手を経て、設計図をさし出した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも生命(いのち)から二番目のダイナマイトはなかなか手離さないが、その隠匿(かく)しどころが亦、実に、驚ろくべく巧妙なものなんだ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
常に他の孤児と一所に居らず暗き隅に竄(かく)る、衣を着せると細かく裂いて糸と為(な)しおわる、数月院にあって熱病に罹り食事を絶って死した。
樽ロケットが隣りへ動くと、こんどはそこに、まん中に一つの動かない塊(かたまり)があり(水素の核(かく)よりも十数倍大きい)、そのまわりに八個の小さい球(電子だ)が、ぐるぐるとまわっていた。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だがさういふ不自由(ふじゆう)な約束(やくそく)の出來(でき)ない前(まへ)の歌(うた)を見(み)ると、譬(たと)ひ秋(あき)の悲(かな)しくさびしいものだと詠(よ)んでゐても、それが各(かく)個人(こじん)の實際(じつさい)の感(かん)じとして人々(ひと/″\)の胸(むね)に強(つよ)く觸(ふ)れるのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
頓(やが)て彼れ衣嚢(かくし)を探り最(いと)太(ふと)やかなる嗅煙草(かぎたばこ)の箱を取出(とりいだ)し幾度か鼻に当て我を忘れて其香気を愛(めず)る如くに見せ掛(かく)る、去(さ)れど余は兼(かね)てより彼れに此癖あるを知れり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
砕けた浪の白漚(しらあわ)は、銀の歯車を巻いて、見るまに馬の脚を噛み、車輪の半分(なかば)まで没(かく)した。小さいノアの方舟(はこぶね)が三つ出来る。浪が退(ひ)いた。馬は平気で濡れた砂の上を進んで来る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「いや、いったん王道の赫(かく)たる御政道がたてば、そういう虫ケラどもが業(わざ)をする日蔭はない」
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
螺(さざい)の壺々口(つぼつぼぐち)に莞然(にっこ)と含んだ微笑を、細根大根に白魚(しらうお)を五本並べたような手が持ていた団扇で隠蔽(かく)して、耻(はず)かしそうなしこなし。文三の眼は俄に光り出す。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
また廋(かく)さんと欲する心を示すものは、目、口、鼻など頭の頂上より足の爪先(つまさき)に至るまで、一つとして我々の性質を現す機会とならぬものはない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
懸(かく)れば重四郎はイヤ來たなとは思へども何喰(なにくは)ぬ顏にて是は/\珍(めづ)らしく御揃ひで能(よく)こそ御入來忝(かたじ)けなしと挨拶(あいさつ)なすに頓(やが)て掃部は聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私(わし)の跡を追掛(おっか)けて来て富五郎はいるか、慝(かく)まったろう、イエ慝まわぬ、居ないといえばじゃア戸棚に居ましょうというので捜しましょう
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
軽躁飄逸(けいそうひょういつ)を喜ぶことになり、正しきためには、自己をも犠牲にせんとする純情よりは一掴(かく)千金の富貴と成功を夢むこととなり、いつしか高邁(こうまい)なる勧学の精神を失うと共に
かくのごとくして一人の打者は三打撃を試むべし。第三打撃の直球(ジレクトボール)(投者の手を離れていまだ土に触れざる球をいう)棒(バット)と触れざる者攫者(キャッチャー)よくこれを攫(かく)し得ば打者は除外(アウト)となるべし。
ベースボール (新字新仮名) / 正岡子規(著)
爾さ、曲者が自分の名を書ぬ事は明かだ、書(かく)のは則(すなわ)ち自分へ疑いの掛らぬ為だから、爾だ他人(たじん)に疑いを掛けて自分が夫(それ)を逃れる為めだから、此名前で無い者が曲者だ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
尼と覚(かく)一との、以後の流転(るてん)なども聞き終り、努めて、むかしの古傷には触れずにいた。
「それを膈(かく)(鶴(かく))の病いというんだ」こんどは又左衛門が冷やかした、「胃の腑(ふ)に癌(がん)の出来るやつさ、藤蔓(ふじづる)の瘤(こぶ)をやぶれば治る」
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
私の傍(そば)へ来ない算段ばかり遊ばすのですものを、アノ源さま、こちらの家(うち)でも此の間お嬢様がお逝(かく)れになって、今は外(ほか)に御家督(ごかとく)がありませんから、是非とも御夫婦養子をせねばなりません
突止(つきとめ)て後(のち)右(と)も左(かく)も取計(はか)らはんと富右衞門は其儘(まゝ)入牢申渡されける是より大岡殿組下(くみした)の同心へ申付られ在方(ざいかた)の樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
屋(をく)を造るに巧妙(たくみ)なりし達膩伽尊者(たにかそんじや)の噂はあれど世尊在世の御時にも如是(かく)快き事ありしを未だきかねば漢土(から)にもきかず、いで落成の式あらば我偈(げ)を作らむ文を作らむ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
佳句(かく)を得て佳句を続(つ)ぎ能(あた)わざるを恨(うら)みてか、黒くゆるやかに引ける眉(まゆ)の下より安からぬ眼の色が光る。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これまでにも、芳太郎がちょくちょくここへ囲(かく)まわれていたことも言い出された。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「それを膈(かく)(鶴(かく))の病いというんだ」こんどは又左衛門が冷やかした、「胃の腑(ふ)に癌(がん)の出来るやつさ、藤蔓(ふじづる)の瘤(こぶ)をやぶれば治る」
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「辻浄瑠璃」巧緻を極めたりしも遂に「風流仏」に較(かく)す可き様もなし。
庇(ひさし)のもとに床(ゆか)ありて浅き箱やうのものに白く方(かく)なる物を置(おき)たるは、遠目(とほめ)にこれ石花菜(ところてん)を売ならん、口には上(のぼ)らずとおもひながらも
他日の議論に讓て暫く筆を擱(かく)し、爰に我輩が端を改めて專ら陳述せんと欲するものは、舊來我國に固有する文明の事物を保存せんとするの一事にして、又重ねて帝室に依頼せざるを得ざるなり。
帝室論 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
宿場(しゆくば)と唱(となふ)る所(ところ)は家の前(まへ)に庇(ひさし)を長くのばして架(かく)る、大小の人家(じんか)すべてかくのごとし。雪中はさら也、平日も往来(ゆきゝ)とす。これによりて雪中の街(ちまた)は用なきが如くなれば、人家の雪をこゝに積(つむ)。
しかし、『八島』は本多鋼鉄でこしらえた艦(ふね)ではない。その鋼(はがね)は『最上』なんかよりは、弱いのだ。深い深い海の底では、水の重さに圧(お)されて殻(かく)(潜水艦の胴体)が、みしりみしりと変な音を立てる。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
というは、昔英国の五月節会に大流行だったモリス踊(ダンス)のホッビー・ホールスとて頭と尾は木造で彩色し、胴は組み合せで騎手の腰に合せ、下に布を垂れてその脚を覆(かく)す造馬がそれによく似居る。
いつも母がそれお人がいらしツた、はやく陰(かく)れよ、それそちらへと、納戸へ逐ひ遣らるるが習はしとなつておりましたから、人を見る目などはなかなかもつておりませんでした。
こわれ指環 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
また軍を興して、都夫良意美(つぶらおみ)一六が家を圍(かく)みたまひき。ここに軍を興して待ち戰ひて、射出づる矢葦(あし)の如く來散りき。
(その王子の作れる矢は、今時の矢なり。そを穴穗箭といふ。)穴穗の御子(みこ)軍を興して、大前小前の宿禰の家を圍(かく)みたまひき。ここにその門(かなと)一八に到りましし時に大氷雨(ひさめ)降りき。
湖と山とに囲まれて先祖の宝が秘蔵(かく)されてある。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
先祖の宝が秘蔵(かく)されてある
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
また天皇、三宅(みやけ)の連(むらじ)等が祖、名は多遲摩毛理(たぢまもり)一を、常世(とこよ)の國二に遣して、時じくの香(かく)の木(こ)の實(み)三を求めしめたまひき。
「常世の國の時じくの香(かく)の木(こ)の實(み)を持ちまゐ上りて侍(さもら)ふ」とまをして遂に哭(おら)び死にき。
姫の屍体もまたプリゴネと称する薬草の液に浸し麝香草(じゃこうそう)の花を詰めて腐敗を禦(ふせ)ぎ、金銀を象嵌(ぞうがん)したる瑪瑙(めのう)の寝棺に納め、さらにこれを桃金花(てんにんか)の木にて造れる槨(かく)に入れ
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
亡骸(なきがら)はプリゴネと称する薬草の液に浸し、麝香草(じゃこうそう)の花を詰めて腐敗を禦(ふせ)ぎ、金銀を象嵌(ぞうがん)したる瑪瑙(めのう)の寝棺に納め、さらにこれを桃金花(てんにんか)の木にてつくれる槨(かく)に入れ、薬蝋(やくろう)をもって密封し
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
西なる山に沒(かく)るれど
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
沒(かく)れぬ光(かげ)は天雲(あまぐも)の
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
両親が早く亡くなったので、五歳になる弟の珏(かく)、幼な名を双璧(そうへき)というのを養うことになったが、生れつき友愛の情に厚いので、自分の子供のようにして世話をした。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ある日珏(かく)は一人で郊外に遊びにいっていたところで、十五、六に見える一人の女郎(むすめ)に遇った。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
手前の考えでは若様は未(ま)だお四才(よっつ)かお五才(いつゝ)で御頑是(ごがんぜ)もなく、何弁(わきま)えない処のお子様でございますから、万々一(まん/\いち)大殿様がお逝去(かく)れに相成った時には
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
奥様の方から無理に勧めて置いたお秋様が挙(もう)けました若様が、お三歳(みっつ)という時に奥様がお逝去(かく)れになりましたから、お秋様はお上通(かみどお)りと成り、お秋の方という。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
竜興の娘の妙子というのは、これもまた癩病の筋で、一時は南蛮寺の救癩院にひそんでいたが、そこにも居着かれず、香具(かく)と名を変えて伊豆の近くに住んでいたとも聞いている。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
聖山からこっそり逢いに来る母の香具(かく)の気ぜわしい愛撫のほか、人間の愛情というものを知らずに育ったが、五年前、足利学校へ追いやられる頃から、母がぷっつりと来ないようになった。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
此(こ)の一廓(かく)、富士見稲荷鎮守の地につき、家々の畜犬堅く無用たるべきもの也(なり)。地主。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さらば又と来ざらんやうに逐払(おひはら)ふべき手立(てだて)のありやと責むるに、害を為(な)すにもあらねば、宿無犬(やどなしいぬ)の寝たると想ひて意(こころ)に介(かく)るなとのみ。意(こころ)に介(か)くまじき如きを故(ことさら)に夫には学ばじ、と彼は腹立(はらだたし)く思へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
虎膏は狗噛瘡を治し、下部に納(いれ)れば痔病で血下るを治し、内服せば反胃(かく)を治し、煎消して小児の頭瘡白禿(しらくも)に塗ると『本草』に見ゆ。宜(よろ)しく行(や)って見なさい。だが虎膏は皮より一層むつかしい尋ね物だ。
「おのれ、長二ツ」と篠田は我と我が心を大喝(だいかつ)叱咜(しつた)して、嚇(かく)とばかり眼(まなこ)を開けり、重畳(ちようでふ)たる灰色の雲破れて、武甲(ぶかふ)の高根、雪に輝く
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
小規模で浅く掘り上げたる土を以て身を垜(かく)すだけの堤(どて)を築くとは大いに異なり、地中に深く鼴鼠(もぐら)の如く穴を掘り一丈も二丈も下に潜むというから、かくの如き生活の人体に影響するところ大なるべく
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
此所は大日流布(だいにちるふ)の大師の生れさせ給ひたる地にも近く、何と無く心とゞまりて如斯(かく)草庵を引きむすび、称名(しようみやう)の声の裏(うち)には散乱の意を摂し、禅那(ぜんな)の行の暇(ひま)には吟咏のおもひに耽り悠〻自ら楽むに
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
種彦は、江戸で二月八日御事始(おことはじめ)に笊を門口に懸けた旧俗を釈(と)くとて、昔より目籠は鬼の怖るるといい習わせり、これは目籠の底の角々は☆如此(かく)晴明九字(あるいは曰く晴明の判)という物なればなり。
受納(じゆなふ)なせしは即ち賄賂也(わいろなり)下役黒崎又左衞門市田武助其方共も受納(じゆなふ)致せしならんと有に兩人は今上役の理左衞門が白状なせし上は密(かく)すも益(えき)無(なし)と思ひ上役の申付に違背(ゐはい)も如何と存じ金三兩づつ受納せしと言ければ大岡殿假令上役の申付なりとて不正(ふせい)の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此れは前の句から推して『何如んぞ富まむや』『如何ぞ智ならむや』『何如ぞ寢(かく)れんや』『申韓を如何にせむ』と讀まなくてはならぬことは明らかで
孔子と管仲 (旧字旧仮名) / 狩野直喜(著)
幽(かく)り宮(みや)月(つき)のかげせしひと夜ゆゑ恋ひつゝわびぬこの年頃を(残紅)
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
今更お庾(かく)しなさるには及びませんさ。若い男と女が一間(ひとま)に入つて、取付(とつつ)き引付(ひつつ)きして泣いたり笑つたりしてをれば、訳は大概知れてをるぢや御座いませんか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そこだけの一廊(かく)を取りあえず伐木して、下草を薙(な)ぎ払った。それが主君邦夷の来着を待つ用意であった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
すると父のそばにいたまだ六歳の諸葛恪(かく)が、いきなり筆を持って庭へとび降り、驢(ろ)の前に背伸びして、その面の四文字の下へ、また二字を書き加えた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
船の行手に、拳程の白い雲が湧いたと思ふと、見る間にそれが空一面に擴つて、金色の太陽を掩(かく)して了つた。——よく見ると、それは雲ぢやなかつた。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
御頭は焼落ちて大地に有り、御身は鎔合(わきあひ)て山の如(ごと)し、八万四千の相好は、秋の月早く五重の雲に掩隠(かく)れ、四十一地の瓔珞(やうらく)は、夜の星空(むな)しく十悪の風に漂ふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
掻(かく)共(とも)正體は有まじ豫ての怨みを晴すは此時なりと常に案内知たる事なれば先(まづ)納戸(なんど)へ到(いた)り喜内が衣類と金子二百兩を取出し一包にして夫より密(そつ)と雨戸一枚を外し置(おき)件(くだん)の包を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは晦(かく)れたる蘭軒の裔(すゑ)が顕れたる山陽に対する当然の情であらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
最も清きもの最も愛すべきものには朝より夕まで、月満(みち)てより月欠(かく)るまで、彼の視線は一小屋(しょうおく)の壁に限られ、聴くべきものとては彼の援助(たすけ)を乞う痛めるものの声あるのみ
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
起きよ、我儕(われら)往くべし。我を売(わた)すもの近づきたり、此如(かく)いへるとき十二の一人(ひとり)たるユダ剣(つるぎ)と棒とを持ちたる多くの人人と偕(とも)に祭司の長(をさ)と民の長老(としより)の所(もと)より来る。
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ヘエ/\寝度(ねた)くないので、貴方は段々承ると、然(しか)るべき処の、お高も沢山お取り遊ばしたお武家の嬢様だが、御運悪く水街道へいらっしゃいまして、御親父様(ごしんぷさま)がお歿(かく)れになって
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
吾(われ)聞(き)く、魏(ぎ)の明帝(めいてい)、洛水(らくすゐ)に遊(あそ)べる事(こと)あり。波(なみ)蒼(あを)くして白獺(はくだつ)あり。妖婦(えうふ)の浴(よく)するが如(ごと)く美(び)にして愛(あい)す可(べ)し。人(ひと)の至(いた)るを見(み)るや、心(こゝろ)ある如(ごと)くして直(たゞ)ちに潛(かく)る。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
濁流の渦巻(うずま)く政界から次第に孤立して終にピューリタニックの使命に潜(かく)れるようになったは畢竟(ひっきょう)この潔癖のためであった。が、ドウしてYに対してのみ寛大であったろう。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
王五は逃れて潡(かく)県にゆくと、路は狭く、溝は深く、わずかに一人が通られるだけの小さい橋が架けられていた。その橋のまんなかに逞ましい牛が眼を怒らせて伏していて、近づけば角(つの)を振り立てる。
李時珍曰く〈その類数種あり、小にして尾短きは猴(こう)なり、猴に似て髯多きは豦(きょ)なり、猴に似て大なるは玃(かく)なり。大にして尾長く赤目なるは禺(ぐう)なり。小にして尾長く仰鼻なるは狖(ゆう)なり。
と云(い)つて、それが第(だい)三紀(き)層(そう)に屬(ぞく)する舊貝塚(きふかひづか)(といふも變(へん)だが)とも思(おも)はれぬ。何故(なぜ)ならば、灰(はい)を混(こん)じて、細密(さいみつ)に碎(くだ)かれたる貝殼(かひがら)が、貝層中(かひそうちう)に一線(せん)を畫(かく)して、又(また)層(そう)を成(な)して居(ゐ)るからである。
素盲の金五郎、すわといえば直ぐに立つ軽装を、巧みに合羽で糊塗(かく)している。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
すなわちその法を以て具さに四人に授く。四人法に依りて此の薬を和合し、自ずからその身を翳(かく)し、游行自在なり。すなわち共に相将(ひき)いて、王の後宮に入る。
松火の見えている沙丘の前面(てまえ)から、鋭い胡笛(かく)の音が響いて来た。歩哨の兵が吹いたのでもあろう。と、そこから閧(とき)の声が起こった。
沙漠の美姫 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
右漢名(かんめい)(中国名のこと)の淫羊藿(いんようかく)に就(つ)き、中国の説では、羊がこの葉(藿(かく))を食えば、一日の間に百遍(ぺん)も雌雄(しゆう)相通(あいつう)ずることができる効力を持っていると信ぜられている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
何事(なにごと)も外國人(ぐわいこくじん)の説(せつ)を妄信(まうしん)する日本人(にほんじん)は、これを聞(き)いて大(おほ)いに感服(かんふく)したもので、識見(しきけん)高邁(かうまい)と稱(せう)せられた故(こ)岡倉(をかくら)覺(かく)三氏(し)の如(ごと)きも
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
またその天の尾羽張の神は、天の安の河の水を逆(さかさま)に塞(せ)きあげて、道を塞き居れば、他(あだ)し神はえ行かじ。かれ別(こと)に天の迦久(かく)の神二を遣はして問ふべし
郝(かく)某はかつて湖広の某郡の推官(すいかん)となっていた。ある日、捕盗の役人を送って行って、駅舎に一宿した。
嫜の方の朝夕(ちょうせき)の見舞を闕(かく)べからず。嫜の方の勤(つとむ)べき業(わざ)を怠(おこたる)べからず。若し嫜の命(おおせ)あらば慎(つつしみ)行(おこな)ひて背(そむく)べからず。万(よろず)のこと舅姑に問ふて其教に任(まかす)べし。嫜若し我を憎(にくみ)誹(そし)りたまふとも怒(いかり)恨(うらむ)ること勿れ。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
日枝(ひえ)神社の山王祭と共に、御用祭又は天下祭と言はれ、隔(かく)年に行はれたこの威儀は、氏子(うぢこ)中の町々を興奮の坩堝(るつぼ)にし、名物の十一本の山車(だし)が、人波を掻きわけて、警固の金棒の音、木遣(きや)りの聲
隣りの婆さんといふのは、赤痢に罹ツたのを一週間も隱匿(かく)してゐて、昨日の午後避病院に擔込(かつぎこ)まれたのであツた。避病院は、つい近所にある。坐ツてゐても消毒室の煙突だけは見える。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
手は刀を離さず、必死と成(なっ)て夢我(むが)夢中、きらめく刃(やいば)は金剛石の燈下に転(まろ)ぶ光きら/\截切(たちき)る音は空(そら)駈(かく)る矢羽(やばね)の風を剪(き)る如く、一足退(すさ)って配合(つりあい)を見(み)糺(ただ)す時は琴(こと)の糸断えて余韵(よいん)のある如く、意(こころ)糾々(きゅうきゅう)気昂々(こうこう)
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)