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躱
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かく
ふりがな文庫
“
躱
(
かく
)” の例文
追えば追うほど兎種々に走り
躱
(
かく
)
れて犬ために身
憊
(
つか
)
れ心乱れて少しも主命を用いず、故に狩猟の途上兎を見れば中途から
還
(
かえ
)
る事多しと
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
幼
(
いとけな
)
き保の廊下に
遊嬉
(
いうき
)
するを見る毎に、戯に其臂を執つてこれを
噬
(
か
)
む勢をなした。保は遠く柏軒の来るを望んで逃げ
躱
(
かく
)
れたさうである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼は少し離れた
簷下
(
のきした
)
に身を
躱
(
かく
)
してようやく落ち著きを得たが、この落ち著きの中にたちまちひそひそとささやく声が聞えた。
白光
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
最初の中は
此方
(
こつち
)
から身を
躱
(
かく
)
して、こつそりさういふ土地に出かけて行つたが、後には平気で、
幅
(
はゞ
)
で、女を
庫裡
(
くり
)
へ
伴
(
つ
)
れて来ては泊らせてやつた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
家の窓よりは燈火の影洩りたるが、彼の外套着たる姿は其光に照されて、窓の直下に浮び出でぬ。われは
葡萄架
(
ぶだうだな
)
の暗き處に
躱
(
かく
)
れ、石に踞して其
状
(
さま
)
を覗ひ居たり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
わたしは木の
背後
(
うしろ
)
にでも
躱
(
かく
)
れてゐて、そこから飛び付かうか、木の枝にでも昇つてゐて、そこから飛び降りようかと思ひながら、其儘ぢつとしてすわつてゐました。
尼
(新字旧仮名)
/
グスターフ・ウィード
(著)
マルガレエテ飛び込み、扉の背後に
躱
(
かく
)
れ、右の示指の尖を脣に当て、隙間より外を窺ふ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
と背中に
躱
(
かく
)
れている子供を引出した。これはちょうど三十年前の閏土と同じような者であるが、それよりずっと痩せ黄ばんで頸のまわりに銀の輪がない。
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
口広くして人を
丸嚥
(
まるの
)
みにすべく歯大にして
尖
(
とが
)
れり、これを見て人畜何ぞ戦慄せざらん、日中は暑ければ地下に
躱
(
かく
)
れ夜出て食を
覓
(
もと
)
め、また河や湖泉に行き水を飲む
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
時雄はいかにしても苦しいので、
突如
(
いきなり
)
その珊瑚樹の蔭に身を
躱
(
かく
)
して、その根本の地上に身を
横
(
よこた
)
えた。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
お上さんは
纖
(
ほそ
)
い
指尖
(
ゆびさき
)
を
上框
(
あがりがまち
)
に
衝
(
つ
)
いて足駄を脱いだ。そして背中の子を
賺
(
すか
)
しつゝ、帳場の奧に
躱
(
かく
)
れた。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
われは避けて、とある
窓龕
(
さうがん
)
に
躱
(
かく
)
れたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
剪り去った辮子を延ばし始めた者が、幾人か交じっていたが、早くも人中に
躱
(
かく
)
れて彼の目を避けた。
風波
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
それが突然姿を
躱
(
かく
)
した。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
この時魯鎮は全く静寂の中に落ち、ただこの暗夜が
明日
(
あす
)
に成り変ることを想わせるが、この静寂の中にもなお
奔
(
はし
)
る波がある。別に幾つかの犬がある。これも暗闇に
躱
(
かく
)
れてオーオーと啼く。
明日
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
躱
漢検1級
部首:⾝
13画
“躱”を含む語句
精神的躱避
身躱
躱身