“指尖”の読み方と例文
読み方割合
ゆびさき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
指尖ゆびさきほどの小さな花ではあるが、光に透いて見える濃い紫が如何いかにも鮮かで、じめじめした暗鬱な周囲に美しい調和を与えている。
松風の門 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「やれ、それでこっちも、安心した」と笑いくずれている間に、お綱は細い指尖ゆびさきへ、加留多カルタの札を四、五枚取ってながめていた。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その一本のふくらはぎの膝から下に、むくむくと犬だか猫だか浅間しい毛が生えて、まだ女のままの指尖ゆびさきけもの鰭爪ひづめかがまって縮んでいる。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)