かく)” の例文
新字:
申立てしも今聞とほりなり眞直まつすぐに申立よ此上つゝかくすに於ては急度きつと申付るぞと聞て善右衞門ヘイ明白めいはくに申上ます私しは然樣さやうなる者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あんずるに、團子だんご附燒つけやきもつ美味うまいとしてある。鹽煎餅しほせんべい以來このかた江戸兒えどつこあまあまいのをかぬ。が、なにかくさう、わたし團子だんごあんはう得意とくいとする。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あなたに會はない前に、私はこの場所のたゝりの話を、あなたにはすべて、かくしておくやうにと皆に命じておいたのです。
かくすな! 何有なあに、解つてるよ、確乎ちやんと解つてるよ。高が君等の行動が解らん樣では、これで君、札幌は狹くつても新聞記者の招牌かんばんは出されないからね。』
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
最早もうしめたものと、今度は客間きやくまに石をかず、居間ゐまとこ安置あんちして何人にもかくして、只だひとたのしんで居た。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
流水りうすゐあにこゝろなからんや。ことばかはすと、かくさずつた。おかうちやんのかたところによれば、若後家わかごけだ、とふ。若旦那わかだんなおもつぼ
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みづながせば何處どこくゞつて——いけがあります——ひと住居すまひながれてて、なかでもかくさなければらないもののまりさうで身體からだふるへる。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なにかくさう、唯今たゞいま雲行くもゆきに、雷鳴らいめいをともなひはしなからうかと、氣遣きづかつたところだから、土地とち天氣豫報てんきよはうの、かぜはれ、に感謝かんしやへうしたのであつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
すんでのところ。——つこちるのでも、身投みなげでも、はつときとめる救手すくひては、なんでも不意ふいはう人氣にんきつ。すなはち同行どうかう雪岱せつたいさんを、いままでかくしておいた所以ゆゑんである。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それ片手かたてかくしたけれども、あしのあたりをふるはすと、あゝ、とつて兩方りやうはうくうつかむとすそげて、弓形ゆみなりらして、掻卷かいまきて、ころがるやうにふすまけた。……
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、暮方くれがた掃除さうぢると、おなじやうに、ずらりとならんでそろつてた。これきのこなればこそ、もまはさずに、じつとこらへてわたしにははなさずにかくしてた。わたし臆病おくびやうだからである。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)