“弓形”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆみなり78.6%
ゆみがた10.7%
ゆがた3.6%
きゆうけい3.6%
アーチ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敵の腕は、彼の喉輪のどわを抱き込んだ。そのまま、二つの体が弓形ゆみなりになって、だだだだと、うしろへよろめいた。右衛門七は、声も出せない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女は始終しよつちゆう笑つてゐた。その笑はあてこすつたやうな笑で、彼女の弓形ゆみがたをした高慢な唇にたえず漂つてゐる表情もまた同じであつた。
掛矢旅館を、ひょっくりとおとずれた新田先生は、そこの主人の弓形ゆがた老人から、たいへん歓迎を受けた。
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
足下あしもとには層をなして市街の屋根が斜めに重なり、対岸には珠江しゆかう河口かこういだいた半島が弓形きゆうけいに展開し、其間そのあひだひさごいた様な形で香港ホンコン湾があゐを湛へて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
二、三十年ぜんの風流才子は南国風なあの石の柱と軒の弓形アーチとがその蔭なる江戸生粋きっすい格子戸こうしど御神燈ごしんとうとに対して、如何に不思議な新しい調和を作り出したかを必ず知っていた事であろう。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)