“生粋”のいろいろな読み方と例文
旧字:生粹
読み方割合
きっすい86.0%
きつすい5.3%
きつすゐ5.3%
いなせ3.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ともかくもその瞬間に自分が子供の時分に夢みていた生粋きっすいの西洋というものが忽然と眼前に現われて忽然と消えてしまったのであった。
追憶の冬夜 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
新納にひろ武蔵守は薩摩武士の生粋きつすいで例の戯談好ぜうだんずきな太閤様の歌にある、ちんちろりんのやうな長い鬚を生やした男だつたが、矢張り薩摩者に有りうちの
彼は人種学の教科書の教へるとほりに黒髪で、あかゞねいろの額が広く、面長おもながであつたが、その乱れた髪につけてゐる香油はパリ生粋きつすゐのものだつた。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
洗いざらしの印袢纏しるしばんてんに縄の帯。豆絞りの向う鉢巻のうしろ姿は打って付けの生粋いなせ哥兄あにいに見えるが、こっちを向くと間伸まのびな馬面うまづらが真黒に日に焼けた、見るからの好人物。
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)