“處”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
ところ71.3%
しよ11.1%
どころ6.4%
とこ2.9%
1.8%
どこ1.2%
1.2%
ドコロ1.2%
0.6%
0.6%
しょ0.6%
とこれ0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところで——番町ばんちやう下六しもろく此邊このへんだからとつて、いし海月くらげをどしたやうな、石燈籠いしどうろうけたやうな小旦那こだんなたちが皆無かいむだとおもはれない。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はヽさまとならではおにもかじ、觀音かんのんさまのおまゐりもいやよ、芝居しばゐ花見はなみはヽさましよならではとこの一トもとのかげにくれて
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
北八きたはち大丈夫だいぢやうぶだ、と立直たちなほつて悠然いうぜんとなる。此邊このあたりぢんまりとしたる商賣あきなひやのきならび、しもたやとるは、産婆さんば人相見にんさうみ、お手紙てがみしたゝめどころなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そんぢや、わし蜀黍もろこしかくしてとこ見出めつけあんすから、屹度きつとんにきまつてんだから」といふこゑあとにしてはたけ小徑こみちをうねりつゝつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれたゞなみだがこみあげてもなくかなしくさうしてしみ/″\とつゞけた。勘次かんじはそれをいた瞬間しゆんかんかた唐鍬たうぐはころがしてぶつりとつちつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ヂュリ おゝ、うれしや御坊樣ごばうさまか! 殿御とのご何處どこにぢゃ? どこおぼえてゐる、おゝ、さうぢゃ、そこへわしてゐるのぢゃ?
ヨルよりも暗くなつたイホリの中では、明王像の立ちさへ見定められぬばかりになつて居る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
さうして年々トシヾヽ頻繁に、氏神其外の神々を祭つてゐる。其度毎に、家の語部カタリベ大伴語造カタリヤツコオムナたちを呼んで、之にツカマドコロもない昔代ムカシヨの物語りをさせて、氏人ウヂビトに傾聽を強ひて居る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
名利みやうりの外に身をけば、おのづから嫉妬の念も起らず、憎惡ぞうをの情もきざさず、山も川も木も草も、愛らしき垂髫うなゐも、みにくき老婆も、我れに惠む者も、我れを賤しむ者も、我れには等しく可愛らしく覺えぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
あいちやんはれは奇妙きめうだとおもつて、近寄ちかよつてじつてゐますと、やがて其中そのなか一人ひとりふことには、『をおけよ、なんだね、五點フアイブ!こんなにわたし顏料ゑのぐねかして!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
手前てまへぞんじをりまするは是限これぎり。内祝言ないしうげん乳母うば承知しょうちはず何事なにごとにまれ、われら不埓ふらち御檢斷ごけんだんあそばれうならば、餘命よめい幾何いくばくもなき老骨らうこつ如何いか御嚴刑ごげんけいにもしょせられませう。
「おめえ、さういに自分じぶんとこれえばかしかねえでせな」とよわものところさかづきあつめてこまるのをようとさへするやうつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
〔譯〕くわいる者は能くけんを見る。顯にる者は晦を見ず。