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ど
彼は
只涙がこみあげて
止め
處もなく
悲しくさうしてしみ/″\と
泣き
續けた。
勘次はそれを
聞いた
瞬間肩の
唐鍬を
轉がしてぶつりと
土を
打つた。
うつし世をはかなむかあはれ穴熊は
檻の奧
處にべそをかきゐる
一
日さうして
止め
處もなく
駈つて
行く
巨人の
爪先には
此の
平坦な
田や
畑や
山林の
間に
介在して
居る
各村落の
茅屋は
悉く
落葉を
擡げて
出た
茸のやうな
小さな
悲慘な
物でなければならなかつた。
噛みさ噛み疾風は潮をいぶく
處に衣も疊もぬれにけるかも