“茅屋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうおく38.8%
あばらや25.9%
かやや16.5%
ばうをく7.1%
わらや4.7%
くさや2.4%
ばうおく1.2%
かやゝ1.2%
ちがや1.2%
とまや1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は、あの頃のまゝの姿で、今や追はれ追はれて、名前も知らなかつた東京のとある郊外の茅屋に、仮屋して佗しい日を送つてゐる。
環魚洞風景 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
故郷楼桑村茅屋に、を織って、老母と共に、貧しい日をしのいでいた一家の姿が、ふと熱いのうちに憶い出されたのであろう。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遠くは山裾にかくれてた茅屋にも、咲昇るいで牡丹を高く見たのであった。が、こんなに心易い処に咲いたのには逢わなかった。またどこにもあるまい。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此篇も亦なり。首段は牧童たるダヰツトの事を敍す。即ち我がかりし頃、ドメニカにはぐゝまれてカムパニアの茅屋に住めりし時の境界に外ならず。
其日はそれでれ、其後つて出掛たが、ボズさんのは一しかない茅屋其處でわびしげにんでたのである。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わが青年の名を田宮峰二郎と呼び、かれが住む茅屋は丘の半腹にたちてわしき庭これを囲み細き流れの北のより走り来て庭を貫きたり。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
木曾の溪山は十數里、其特色たる、山に樹多く、激湍多く、茅屋村舍山嶰水隈に點在して、雲烟の變化殆どりなきにありといふ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
此方はおかめ丹治はおえいと丹三郎の死骸を藁屋にし火葬に致しましたが、茅屋ゆえ忽ちに燃え広がり母屋へ移り、残らず類焼する。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
茅屋”の名が古く、千剣破は当時の宛字である。後々まで“千早”がひろく通っている。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
向ひは山本の茅屋——此近辺の大金持で、氷室も持つて居る。東隣りが薬屋。薬屋の隣りは角で、散髪屋。床屋と薬屋の間に小さい地蔵さんが祀つてある。