“あばらや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
破屋25.9%
茅屋23.5%
荒屋15.3%
廃屋12.9%
破家10.6%
荒家3.5%
廢屋1.2%
敗屋1.2%
茅家1.2%
茅廬1.2%
(他:3)3.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しのびで、裏町の軒へ寄ると、破屋あばらやを包む霧寒く、松韻颯々さつさつとして、白衣びゃくえの巫女が口ずさんだ。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
天気の時には二時ごろに家を出かけて、しばしば破屋あばらやに立ち寄ったりしながら、徒歩で田舎いなかやまたは町の方へ散歩した。
ここ茅屋あばらやの宮廷も、にわかに宮人が増して帝のお心は気づよくなったが、さしあたって、朝官たちの食う物に窮してしまった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、そこらの茅屋あばらやから村の老幼や、女子どもまで走りでて、路傍に坐り、彼の姿を拝して、涙をながした。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その夜は生暖な晩であった。地炉にほだの火が狭い荒屋あばらやの中を照らしていた。
ある神主の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
荒屋あばらやトつのこして米塩こめしお買懸かいがかりの云訳いいわけ家主いえぬし亀屋かめやに迷惑がらせ何処どこともなく去りける。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いや人形にとりましても、こんな廃屋あばらやにいるよりは、どんなにか出世というもので、オット又もや口が辷った。ご免下さい。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
高台に建てられたまわりの広い廃屋あばらやは、そうしていると山寺にでもいるように、風も涼しく気も澄んでいた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その濁流の中を泳いで行くめあては、今しも中流を流れ行く一軒の破家あばらやの屋根のあたりであるらしく見えます。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
閉め切ってる破家あばらやのうちに響いた声が、すっと外へ筒抜けてしまって、後がしいんとなった。
特殊部落の犯罪 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
米友はでたようになって、かくれおかのわが荒家あばらやへ帰って来ると、戸棚に隠れていたお玉が出て、
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かくれおか尾上山おべやま)に近い荒家あばらやの中で、
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小舍こや廢屋あばらやのかたかげに
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
引かるゝまゝに、いぶせきこうぢを縫ひ行きて、遂にとある敗屋あばらやの前に出でしとき、僕は星根裏の小き窓にともしびの影の微かなるを指ざしたり。
フト立留まって、この茅家あばらやながめた夫人が、何と思ったか、主税と入違いに小戻りして、洋傘ひがさを袖の下へよこたえると、惜げもなく、髪で、くだんの暖簾を分けて、隣の紺屋の店前みせさきへ顔を入れた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「わたしは貧しいから、立派な邸宅のないのをじます。ただ茅廬あばらやがあります。しばらく一緒にかくれようではありませんか。」
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
私の、上新田の茅舎あばらやは、利根の河原へ百歩のところにある。
わが童心 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
荒破屋あばらや同然の二階。裸電気の下で、母と私ははだかになって涼む。燈火の賑やかな上り列車が走って行く。うらやましい。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
これだけでは不安心だが、アバラケは亭を阿婆良也あばらやむごとく荒れすさんだ義で毛なしと近く、ほとんど相通ずる意味の詞であろう。