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荒屋
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あばらや
ふりがな文庫
“
荒屋
(
あばらや
)” の例文
性格も陰欝で
厭人的
(
えんじんてき
)
で、広い
荒屋
(
あばらや
)
に召使の老婆とたった二人で住んでいて、人を訪ねたり訪ねられたりすることも殆どない様な生活をしている。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
とある小山の麓に僅かに倒れ殘つた
荒屋
(
あばらや
)
が即ちそれで、
茅葺
(
かやぶき
)
の屋根は剥がれ、壁は
壞
(
こは
)
れて、普通の
住宅
(
すみか
)
であつたのを無理に教場らしく間に合せたため
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
さいわい近くにわしの住いがござる、
荒屋
(
あばらや
)
ではあれど、此処よりはましじゃ、それに君子は危きに近寄らず、
増上慢
(
ぞうじょうまん
)
は、
御仏
(
みほとけ
)
もきつくお
誡
(
いまし
)
めのはずではござらぬか
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
今の耳にも
替
(
かわ
)
らずして、
直
(
すぐ
)
其傍
(
そのそば
)
なる
荒屋
(
あばらや
)
に
住
(
すま
)
いぬるが、さても
下駄
(
げた
)
の
歯
(
は
)
と人の気風は一度ゆがみて一代なおらぬもの、
何一
(
ひ
)
トつ満足なる者なき中にも
盃
(
さかずき
)
のみ欠かけず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
門は破れ、屋根は傾き、雨は容赦なく漏れ、文字通りの
荒屋
(
あばらや
)
である。しかし私はそういうことには割合平気な性格である。人倫の嘲笑には馴れ過ぎているからかも知れない。
澪標
(新字新仮名)
/
外村繁
(著)
▼ もっと見る
七日
(
なぬか
)
目の朝、ようようのことで
抱主
(
かかえぬし
)
から半日の
暇
(
いとま
)
を許され、再び母親を小石川の
荒屋
(
あばらや
)
に見舞うと、三日が間、夜も昼も差込み通し、
鳩尾
(
みずおち
)
の処へぐッと上げた
握掌
(
にぎりこぶし
)
ほどのものが
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
凹んだ疊の上を爪立つて歩かねばならぬ程の
狐狸
(
こり
)
の棲家にも
譬
(
たと
)
へたい
荒屋
(
あばらや
)
で、
蔦葛
(
つたかづら
)
に蔽はれた高い石垣を正面に控へ、屋後は帶のやうな長屋の屋根がうね/\とつらなつてゐた。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「いや、ついこの先きですよ、ほんの
荒屋
(
あばらや
)
ですが」
火星の魔術師
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
そをもふと、胸はひらけぬ、
荒屋
(
あばらや
)
のあはれの胸も
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
君とともにたとえ
荒屋
(
あばらや
)
に住まおうとも
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
磯邊に立てる
荒屋
(
あばらや
)
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
雨戸の
外
(
ほか
)
に障子もない
荒屋
(
あばらや
)
なので、八畳程の部屋の向うの
襖
(
ふすま
)
まで見通しであったが、隙間の幅が狭い
為
(
ため
)
に、左右は限られた範囲しか見ることが出来なかった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
荒屋
(
あばらや
)
一
(
ひ
)
トつ
遺
(
のこ
)
して
米塩
(
こめしお
)
買懸
(
かいがか
)
りの
云訳
(
いいわけ
)
を
家主
(
いえぬし
)
亀屋
(
かめや
)
に迷惑がらせ
何処
(
どこ
)
ともなく去りける。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
地炉に
焚
(
た
)
く
榾
(
ほだ
)
の火が狭い
荒屋
(
あばらや
)
の中を照らしていた。
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そをもふと胸はひらけぬ、
荒屋
(
あばらや
)
のあはれの胸も
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
この家がまた、化物屋敷のような古い
毀
(
こわ
)
れかかった西洋館で、木造二階建の、建てた時には相当の建物だったでしょうが、何分にも年数がたっているので、全くの
荒屋
(
あばらや
)
です。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
立ち寄りて窓からでも投込まんと段々行くに、
果
(
はた
)
せる
哉
(
かな
)
縦
(
もみ
)
の木高く
聳
(
そび
)
えて外囲い大きく
如何
(
いか
)
にも
須原
(
すはら
)
の長者が昔の
住居
(
すまい
)
と思わるゝ立派なる家の横手に、
此頃
(
このごろ
)
の風吹き
曲
(
ゆが
)
めたる
荒屋
(
あばらや
)
あり。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そこには、竹藪に囲まれ雑草の生い茂った空地に、一軒の
荒屋
(
あばらや
)
が建っていた。六畳一間きりの屋内は、戸も障子もなくて見通しである。その部屋一杯に、色褪せた
萠黄
(
もえぎ
)
の
古蚊帳
(
ふるかや
)
が吊ってある。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
荒
常用漢字
中学
部首:⾋
9画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“荒屋”で始まる語句
荒屋敷
荒屋新町