外村繁
1902.12.23 〜 1961.07.28
著者としての作品一覧
打出の小槌(新字旧仮名)
読書目安時間:約9分
——私の三男は家中の愛嬌者である。渾名は「たゆ」又は「安福」と言ふ。「たゆ」と言ふのは、彼の申年の「さる」が言へないので、「たゆ」。「安福」と言ふのは、私の郷里の村に安福寺という禅 …
読書目安時間:約9分
——私の三男は家中の愛嬌者である。渾名は「たゆ」又は「安福」と言ふ。「たゆ」と言ふのは、彼の申年の「さる」が言へないので、「たゆ」。「安福」と言ふのは、私の郷里の村に安福寺という禅 …
将棋の話(新字旧仮名)
読書目安時間:約7分
僕達、阿佐ヶ谷に住んでゐる友人達が中心になつて、時時将棋の会を催すことがある。 常連は井伏鱒二、小田嶽夫、上林暁、太宰治、木山捷平、古谷綱武、亀井勝一郎、中村地平君等である。時には …
読書目安時間:約7分
僕達、阿佐ヶ谷に住んでゐる友人達が中心になつて、時時将棋の会を催すことがある。 常連は井伏鱒二、小田嶽夫、上林暁、太宰治、木山捷平、古谷綱武、亀井勝一郎、中村地平君等である。時には …
日を愛しむ(新字新仮名)
読書目安時間:約43分
妻、素子が退院し、二ヵ月振りでわが家へ帰ったのは、四月中旬のことである。曇った日で、門前の吉野桜の花はすっかり散り落ち、枝には赤い萼が点々と残っている。素子は桜の梢の方へ目を遣って …
読書目安時間:約43分
妻、素子が退院し、二ヵ月振りでわが家へ帰ったのは、四月中旬のことである。曇った日で、門前の吉野桜の花はすっかり散り落ち、枝には赤い萼が点々と残っている。素子は桜の梢の方へ目を遣って …
澪標(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間39分
私が生れたところは滋賀県の五個荘である。当時は南、北五個荘村に分れていたが、今は旭村と共に合併して、五個荘町となっている。 村の西南部には小山脈が連っている。繖山脈と呼ばれている。 …
読書目安時間:約2時間39分
私が生れたところは滋賀県の五個荘である。当時は南、北五個荘村に分れていたが、今は旭村と共に合併して、五個荘町となっている。 村の西南部には小山脈が連っている。繖山脈と呼ばれている。 …
夢幻泡影(新字新仮名)
読書目安時間:約28分
浅黄色の色硝子を張ったような空の色だった。散り雲一つない、ほとんど濃淡さえもない、青一色の透明さで、かえって何か信じられないような美しさである。例えば、ちょっと石を投げる、というよ …
読書目安時間:約28分
浅黄色の色硝子を張ったような空の色だった。散り雲一つない、ほとんど濃淡さえもない、青一色の透明さで、かえって何か信じられないような美しさである。例えば、ちょっと石を投げる、というよ …
落日の光景(新字新仮名)
読書目安時間:約35分
私の妻は乳癌に罹り、築地の癌研附属病院で左胸部の切除手術を受けた。更にコバルトを照射するため、大塚の同病院の放射線科に移ることになった。私達の自動車が大塚の病院の構内に沿って左折し …
読書目安時間:約35分
私の妻は乳癌に罹り、築地の癌研附属病院で左胸部の切除手術を受けた。更にコバルトを照射するため、大塚の同病院の放射線科に移ることになった。私達の自動車が大塚の病院の構内に沿って左折し …
“外村繁”について
外村 繁(とのむら しげる、1902年(明治35年)12月23日 - 1961年(昭和36年)7月28日)は、日本の小説家。本名は外村 茂(とのむら しげる)。東京帝国大学経済学部卒。出自である近江商人の世界を客観的に描いた『草筏』で注目され、『筏』『花筏』と共に長編三部作を成して高く評価された。『落日の光景』『澪標』は私小説の極致と評される。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“外村繁”と年代が近い著者
きょうが誕生日(2月26日)
きょうが命日(2月26日)
今月で生誕X十年
今月で没後X十年
メアリー・ウォルストンクラフト・シェリー(没後170年)
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(没後140年)
福沢諭吉(没後120年)
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン(没後100年)
小出楢重(没後90年)
田中貢太郎(没後80年)
宮島資夫(没後70年)
村松梢風(没後60年)
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
アリギエリ・ダンテ(没後700年)
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ(没後100年)
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン(没後100年)
池田輝方(没後100年)
岡崎雪声(没後100年)