陀田勘助
1902.01.15 〜 1931.08.22
著者としての作品一覧
ある日(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
砂糖のような安逸が おれの感覚をにぶらしている 鍋底で倦怠だ!憂鬱だ!と小声でつぶやいている 若い熱情が下駄の歯のようにすりへりそうだ 残火が火消壺で喘いでいる 短気な意志が放心し …
読書目安時間:約1分
砂糖のような安逸が おれの感覚をにぶらしている 鍋底で倦怠だ!憂鬱だ!と小声でつぶやいている 若い熱情が下駄の歯のようにすりへりそうだ 残火が火消壺で喘いでいる 短気な意志が放心し …
おれの飛行船(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
おれは白蟻のように噛み切ることはできない おれは飛行機のように軽快に空を飛ぶことはできない だが脳髄の中の空間に飛行船を遊歩させることはできる 現在の頁を空白に削りとられた者の前に …
読書目安時間:約1分
おれは白蟻のように噛み切ることはできない おれは飛行機のように軽快に空を飛ぶことはできない だが脳髄の中の空間に飛行船を遊歩させることはできる 現在の頁を空白に削りとられた者の前に …
全体の一人(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
独房の中にたった独りでいるおれは決して孤立したものでない 全体の中の部分だ! おれはどこから生れてき、また何を背負っているか! 両親のまた両親とおれの系統をたどってゆくとき、 おれ …
読書目安時間:約1分
独房の中にたった独りでいるおれは決して孤立したものでない 全体の中の部分だ! おれはどこから生れてき、また何を背負っているか! 両親のまた両親とおれの系統をたどってゆくとき、 おれ …
断片(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
ノスケ万歳! プロレタリアは武装を解かれた ——ゲオルグ・グロッス—— むくれあがった傷口から白い蛆虫は這い出した 蠅は飛び出した小腸を喰べている 風が吹く 転がっている銃殺死体! …
読書目安時間:約1分
ノスケ万歳! プロレタリアは武装を解かれた ——ゲオルグ・グロッス—— むくれあがった傷口から白い蛆虫は這い出した 蠅は飛び出した小腸を喰べている 風が吹く 転がっている銃殺死体! …
たんぽぽとおれの感傷(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
春の訪れをまっ先に知らせてくれた 黄色に輝くたんぽぽの花よ、 いま恍惚と夢見るように まっしろな球形の頭を微風になびかして 音もなくふっわりと羽蟻のごとく飛びゆく数々の種子は 青空 …
読書目安時間:約1分
春の訪れをまっ先に知らせてくれた 黄色に輝くたんぽぽの花よ、 いま恍惚と夢見るように まっしろな球形の頭を微風になびかして 音もなくふっわりと羽蟻のごとく飛びゆく数々の種子は 青空 …
手をさし延べよう!(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
食慾が針のように 空らっぽの胃を刺激する かつての日の満腹は夢のようだ 生きるために食うのか? 食うために生きるのか? どちらでもいいここで議論は胃を満たさない おれたちは飢え渇え …
読書目安時間:約3分
食慾が針のように 空らっぽの胃を刺激する かつての日の満腹は夢のようだ 生きるために食うのか? 食うために生きるのか? どちらでもいいここで議論は胃を満たさない おれたちは飢え渇え …
春がふたたび牢獄にやってきた!(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
牢獄の春はふたたびおれの上にやってきた! 一年以前、この赤煉瓦の建物の中に投げ込まれたときには あのトルコの王様の退屈を慰めたというアラビアンナイトの人喰鬼の宮殿のように おれには …
読書目安時間:約1分
牢獄の春はふたたびおれの上にやってきた! 一年以前、この赤煉瓦の建物の中に投げ込まれたときには あのトルコの王様の退屈を慰めたというアラビアンナイトの人喰鬼の宮殿のように おれには …
二人の子持ちになった労働者のおっ母あに送る(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
子持ちとなった労働者のおッ母あよ! 数万の大軍を率いてアルプスの険を突破した若いナポレオンには不可能がなかった。 エルバの孤島で不可能の浪に弄ばれつつさびしく憤死した だがプロレタ …
読書目安時間:約1分
子持ちとなった労働者のおッ母あよ! 数万の大軍を率いてアルプスの険を突破した若いナポレオンには不可能がなかった。 エルバの孤島で不可能の浪に弄ばれつつさびしく憤死した だがプロレタ …
“陀田勘助”と年代が近い著者
今月で生誕X十年
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
平山千代子(生誕100年)
今年で没後X百年
大町桂月(没後100年)
富ノ沢麟太郎(没後100年)
細井和喜蔵(没後100年)
木下利玄(没後100年)
富永太郎(没後100年)
エリザベス、アンナ・ゴルドン(没後100年)
徳永保之助(没後100年)
後藤謙太郎(没後100年)
エドワード・シルヴェスター・モース(没後100年)