三好十郎
1902.04.21 〜 1958.12.16
著者としての作品一覧
あとがき:「夜の道づれ」(旧字新仮名)
読書目安時間:約2分
「出離」という事は多分西洋にはないことである。晩年のストリンドベルヒの物やヘルマン・ヘッセの作品などに、ややそれに似たものが提出されているが、いずれも少し違うようである。「出離」と …
読書目安時間:約2分
「出離」という事は多分西洋にはないことである。晩年のストリンドベルヒの物やヘルマン・ヘッセの作品などに、ややそれに似たものが提出されているが、いずれも少し違うようである。「出離」と …
アメリカ人に問う(新字新仮名)
読書目安時間:約16分
すべてのアメリカ人諸君。 誤解が起きるのを避けるために最初にことわっておきますが、私はアメリカを良い国だと思い、アメリカ人をよい人たちだと思っている者です。あなたがたは若くエネルギ …
読書目安時間:約16分
すべてのアメリカ人諸君。 誤解が起きるのを避けるために最初にことわっておきますが、私はアメリカを良い国だと思い、アメリカ人をよい人たちだと思っている者です。あなたがたは若くエネルギ …
歩くこと(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
自分の頭が混乱したり、気持がよわくなったり、心が疲れたりしたときには、私はよく歩きに出かけます。 それはたいがいのばあい、そういう自分の状態をなおそうとハッキリ思ってすることではな …
読書目安時間:約14分
自分の頭が混乱したり、気持がよわくなったり、心が疲れたりしたときには、私はよく歩きに出かけます。 それはたいがいのばあい、そういう自分の状態をなおそうとハッキリ思ってすることではな …
冒した者(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間36分
人物 私 須永 舟木(医師) 織子(その妻) 省三(学生・舟木の弟) 若宮(株屋) 房代(その娘) 柳子 浮山 モモちゃんそうだ。もう芝居は、たくさんだ。いつまでやって見ても果てし …
読書目安時間:約2時間36分
人物 私 須永 舟木(医師) 織子(その妻) 省三(学生・舟木の弟) 若宮(株屋) 房代(その娘) 柳子 浮山 モモちゃんそうだ。もう芝居は、たくさんだ。いつまでやって見ても果てし …
「冒した者」について(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
私の作品はたいがいそうであるが、特にこの「冒した者」では「現代」そのものが直接的に主題になり主人になっている作品である。 それはこの中に描かれた事件や人物が実際において私の身近に起 …
読書目安時間:約3分
私の作品はたいがいそうであるが、特にこの「冒した者」では「現代」そのものが直接的に主題になり主人になっている作品である。 それはこの中に描かれた事件や人物が実際において私の身近に起 …
おスミの持参金(新字旧仮名)
読書目安時間:約47分
人 スミ(花嫁) 楠一六(花婿) 鈴村彦之丞(スミの父親) 信太郎(放火犯容疑者) お若(信太郎の恋人) 土方(流れ者) 区長 旅商人(呉服小間物屋) 刑事 ユリ(サーカスのダンサ …
読書目安時間:約47分
人 スミ(花嫁) 楠一六(花婿) 鈴村彦之丞(スミの父親) 信太郎(放火犯容疑者) お若(信太郎の恋人) 土方(流れ者) 区長 旅商人(呉服小間物屋) 刑事 ユリ(サーカスのダンサ …
おりき(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間13分
信濃なるすがの荒野にほととぎす 鳴く声きけば時過ぎにけり ——万葉東歌—— 八ヶ嶽の、雄大な裾野の一角。 草場と、それから此のあたりでカシバミと呼んでいる灌木の叢に取り巻かれた麦畑 …
読書目安時間:約1時間13分
信濃なるすがの荒野にほととぎす 鳴く声きけば時過ぎにけり ——万葉東歌—— 八ヶ嶽の、雄大な裾野の一角。 草場と、それから此のあたりでカシバミと呼んでいる灌木の叢に取り巻かれた麦畑 …
絵画について(新字新仮名)
読書目安時間:約12分
マチェールへの愛 以前は私などの所へも時々若い人で戯曲やラジオドラマを勉強したいから指導してくれとか作品を書いたから読んでみてくれとか言って来る人があった。ひどい時には一月に四五人 …
読書目安時間:約12分
マチェールへの愛 以前は私などの所へも時々若い人で戯曲やラジオドラマを勉強したいから指導してくれとか作品を書いたから読んでみてくれとか言って来る人があった。ひどい時には一月に四五人 …
疵だらけのお秋(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間12分
人間 お秋(26) その弟(16) 沢子(22) 秦(中年の仲仕) 阪井(片腕の仲仕) 初子(24) 町田(25) 杉山(36) 女将 客達 仲仕達 場 或る港の酒場沢子の室 六畳 …
読書目安時間:約1時間12分
人間 お秋(26) その弟(16) 沢子(22) 秦(中年の仲仕) 阪井(片腕の仲仕) 初子(24) 町田(25) 杉山(36) 女将 客達 仲仕達 場 或る港の酒場沢子の室 六畳 …
恐怖の季節(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間29分
大インテリ作家 「演劇に関するエッセイを書いてください」 「おことわりします。演劇について論評したりする興味を失っていますから」 「それなら、文化や文芸などについてのエッセイはどう …
読書目安時間:約4時間29分
大インテリ作家 「演劇に関するエッセイを書いてください」 「おことわりします。演劇について論評したりする興味を失っていますから」 「それなら、文化や文芸などについてのエッセイはどう …
斬られの仙太(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間3分
1下妻街道追分土手上 右手遠くに見える筑波山。土手の向う側(舞台奥)は小貝川の河原添いの低地になっていて、その左手寄りに仕置場が設けてあるらしく荒組みの青竹矢来の上部の一部がみられ …
読書目安時間:約4時間3分
1下妻街道追分土手上 右手遠くに見える筑波山。土手の向う側(舞台奥)は小貝川の河原添いの低地になっていて、その左手寄りに仕置場が設けてあるらしく荒組みの青竹矢来の上部の一部がみられ …
好日(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間42分
1朝 オルゴールの曲。 室数二十は下るまいと思われる、堂々たる邸宅の、庭に面した二つの座敷。梅雨季の薄曇りの朝。石も樹も格式通りに布置されてサビの附いた庭が、手入れを怠ったため、樹 …
読書目安時間:約1時間42分
1朝 オルゴールの曲。 室数二十は下るまいと思われる、堂々たる邸宅の、庭に面した二つの座敷。梅雨季の薄曇りの朝。石も樹も格式通りに布置されてサビの附いた庭が、手入れを怠ったため、樹 …
ゴッホについて(新字新仮名)
読書目安時間:約15分
ゴッホの三本の柱 ゴッホの人間及び仕事を支えていた三本の大きな柱として、私は次の三つのものを考えた。これは私がゴッホを好きで彼からの強い影響を受けて来た十代の頃から半ば無意識のうち …
読書目安時間:約15分
ゴッホの三本の柱 ゴッホの人間及び仕事を支えていた三本の大きな柱として、私は次の三つのものを考えた。これは私がゴッホを好きで彼からの強い影響を受けて来た十代の頃から半ば無意識のうち …
殺意(ストリップショウ)(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間28分
打楽器だけのダンス曲。 曲が終ると共に幕開く。 舞台は、同時に、高級なナイトクラブのホール正面の、階段のあるステージ。 したがって観客は同時にナイト・クラブの会員や客である。 音楽 …
読書目安時間:約1時間28分
打楽器だけのダンス曲。 曲が終ると共に幕開く。 舞台は、同時に、高級なナイトクラブのホール正面の、階段のあるステージ。 したがって観客は同時にナイト・クラブの会員や客である。 音楽 …
猿の図(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間2分
大野卯平邸の豪華な応接室。壁によせかけ多量の荷造りした疎開荷物。フランス窓をこちらに一段さがるとテラス、テラスの下が防空壕になっている。人が三四人しゃがんでおれるくらいの広さの壕の …
読書目安時間:約1時間2分
大野卯平邸の豪華な応接室。壁によせかけ多量の荷造りした疎開荷物。フランス窓をこちらに一段さがるとテラス、テラスの下が防空壕になっている。人が三四人しゃがんでおれるくらいの広さの壕の …
山東へやった手紙(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
甚太郎オジサン コノ袋ノ中ニワ 仁丹トウカイ散ト 手ヌグイガ入ットル ソレカラ、ノンキーガ入ットル 昨日、裏ノ、オ染サント二人デ 町カラ買ッテ来タモノデス。 ウカイ散ワ、 腹ノ痛カ …
読書目安時間:約3分
甚太郎オジサン コノ袋ノ中ニワ 仁丹トウカイ散ト 手ヌグイガ入ットル ソレカラ、ノンキーガ入ットル 昨日、裏ノ、オ染サント二人デ 町カラ買ッテ来タモノデス。 ウカイ散ワ、 腹ノ痛カ …
詩劇「水仙と木魚」:――一少女の歌える――(新字新仮名)
読書目安時間:約33分
プロローグ 私は京極光子と申します 年は十七年三カ月 学問は中学を卒業しただけで 病気のために寝たきりで 自分一人では一メートルも動けない 詩を読んだのは 宮沢賢治とホーマアのオデ …
読書目安時間:約33分
プロローグ 私は京極光子と申します 年は十七年三カ月 学問は中学を卒業しただけで 病気のために寝たきりで 自分一人では一メートルも動けない 詩を読んだのは 宮沢賢治とホーマアのオデ …
地熱(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間27分
(開幕前に、上手から下手奥へ列車が通過する轟然たる響が近づき、遠ざかつて行く。開幕後も音は残る。 町はづれの丘。上手が斜めに切通しになつてゐて、私設鉄道の線路の一部。線路に添つて街 …
読書目安時間:約1時間27分
(開幕前に、上手から下手奥へ列車が通過する轟然たる響が近づき、遠ざかつて行く。開幕後も音は残る。 町はづれの丘。上手が斜めに切通しになつてゐて、私設鉄道の線路の一部。線路に添つて街 …
「地熱」について(新字旧仮名)
読書目安時間:約4分
この作品は、今から十五六年前、丁度僕が井上演劇道場と云ふ中間演劇なるものに関係してゐた頃、直接には井上さんの委嘱で書いたものですが、この作品そのものを書きたい気持はかなり古くからも …
読書目安時間:約4分
この作品は、今から十五六年前、丁度僕が井上演劇道場と云ふ中間演劇なるものに関係してゐた頃、直接には井上さんの委嘱で書いたものですが、この作品そのものを書きたい気持はかなり古くからも …
清水幾太郎さんへの手紙(新字新仮名)
読書目安時間:約36分
清水幾太郎様 だしぬけに手紙などさしあげて失礼ですが、あなたに何か質問してみよとの雑誌「群像」からの注文です。そうすれば、たぶんあなたが答えてくださるだろうというのですが、私にはわ …
読書目安時間:約36分
清水幾太郎様 だしぬけに手紙などさしあげて失礼ですが、あなたに何か質問してみよとの雑誌「群像」からの注文です。そうすれば、たぶんあなたが答えてくださるだろうというのですが、私にはわ …
樹氷(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間49分
作者 馭者 春子 勝介 壮六 (音楽) 音楽しばらく続いて、その間にアナウンス。 アナウンスやんで間もなく音楽やむ。 作者私は三好十郎でございます。私は以前から長野県——信州の山岳 …
読書目安時間:約4時間49分
作者 馭者 春子 勝介 壮六 (音楽) 音楽しばらく続いて、その間にアナウンス。 アナウンスやんで間もなく音楽やむ。 作者私は三好十郎でございます。私は以前から長野県——信州の山岳 …
鈴が通る(新字新仮名)
読書目安時間:約31分
人間 そめ かつ かじや さぶ 農夫 しげ 馬方 仲買 おかみ 娘一 男の子 吏員一 助役 吏員二 農夫 吏員三 吏員四 娘二 青年 女教師 旅の女 どこかで鶏がトキを作っている。 …
読書目安時間:約31分
人間 そめ かつ かじや さぶ 農夫 しげ 馬方 仲買 おかみ 娘一 男の子 吏員一 助役 吏員二 農夫 吏員三 吏員四 娘二 青年 女教師 旅の女 どこかで鶏がトキを作っている。 …
捨吉(旧字新仮名)
読書目安時間:約20分
星はない 風もたえた 人ごえも消えた この驛を出た列車が すでに山の向うで 溜息を吐く 白いフォームに おれと おれの影と 驛長と 驛長の影と それだけがあつた 見はるかす高原は …
読書目安時間:約20分
星はない 風もたえた 人ごえも消えた この驛を出た列車が すでに山の向うで 溜息を吐く 白いフォームに おれと おれの影と 驛長と 驛長の影と それだけがあつた 見はるかす高原は …
その人を知らず(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間50分
窓のないガランとした室。 中央にテーブルと三四のイス。 伴(軍服)がイスにかけて書類を見ている。壁の前に人見(セビロにゲイトル)が、棒のようにこわばって立っている。 間——時計の秒 …
読書目安時間:約2時間50分
窓のないガランとした室。 中央にテーブルと三四のイス。 伴(軍服)がイスにかけて書類を見ている。壁の前に人見(セビロにゲイトル)が、棒のようにこわばって立っている。 間——時計の秒 …
「その人を知らず」について(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
キリスト教の信条をそのままに素朴に、そして厳格に守るために軍の召集に応じることを拒んだために憲兵隊にあげられた青年の話を私が聞いたのは戦争中の、それも終戦近くだった。聞かせてくれた …
読書目安時間:約3分
キリスト教の信条をそのままに素朴に、そして厳格に守るために軍の召集に応じることを拒んだために憲兵隊にあげられた青年の話を私が聞いたのは戦争中の、それも終戦近くだった。聞かせてくれた …
胎内(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間17分
暗い。 右手の奥のほうに一ヵ所かすかに明るいところがある。 遠くでかみなりが鳴っている。雨もふっているらしい。それらの音が、ここにこもって、低い反響をおこしているながいことたってか …
読書目安時間:約2時間17分
暗い。 右手の奥のほうに一ヵ所かすかに明るいところがある。 遠くでかみなりが鳴っている。雨もふっているらしい。それらの音が、ここにこもって、低い反響をおこしているながいことたってか …
妻恋行(新字旧仮名)
読書目安時間:約34分
さびれ切つた山がかりの宿のはづれ、乗合自動車発着所附近。上手に待合小屋、下手に橋。奥は崖、青空遠く開け、山並が望まれる。 夏の終りの、もう夕方に近い陽が、明る過ぎる。よそ行きの装を …
読書目安時間:約34分
さびれ切つた山がかりの宿のはづれ、乗合自動車発着所附近。上手に待合小屋、下手に橋。奥は崖、青空遠く開け、山並が望まれる。 夏の終りの、もう夕方に近い陽が、明る過ぎる。よそ行きの装を …
抵抗のよりどころ(新字新仮名)
読書目安時間:約40分
私は妙なところからはじめます。 いま私はすこし長い戯曲にとりかかっていますがそれを書きあげても発表する場所の目あてがないので困っています。以前からそうですが、敗戦後はじつに徹底的に …
読書目安時間:約40分
私は妙なところからはじめます。 いま私はすこし長い戯曲にとりかかっていますがそれを書きあげても発表する場所の目あてがないので困っています。以前からそうですが、敗戦後はじつに徹底的に …
天狗外伝 斬られの仙太(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間3分
真壁村の仙太郎 その兄仙右衛門 段六 加多源次郎 兵藤治之 利根の甚伍左 その娘お妙 くらやみの長五郎 芸者お蔦 真壁村の女房/百姓たち 植木村の子供たち/お咲/吉坊/その他 植木 …
読書目安時間:約4時間3分
真壁村の仙太郎 その兄仙右衛門 段六 加多源次郎 兵藤治之 利根の甚伍左 その娘お妙 くらやみの長五郎 芸者お蔦 真壁村の女房/百姓たち 植木村の子供たち/お咲/吉坊/その他 植木 …
日記より(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
佐々木の奥さんから昨日聞いたことで、ひどく自分を打った話がある。 佐々木と同じ荻窪署に、既に丸一年間も留置されている一家四人の家族がいるが、それが、先日聞いた(彼女が)所に依ると、 …
読書目安時間:約3分
佐々木の奥さんから昨日聞いたことで、ひどく自分を打った話がある。 佐々木と同じ荻窪署に、既に丸一年間も留置されている一家四人の家族がいるが、それが、先日聞いた(彼女が)所に依ると、 …
「廃墟」について(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
敗戦後一年ぐらいたってから書いたもので、この巻の三作品の中では最も古い。 敗戦の年の八月十五日、天皇の放送があると言うので、——それが大体どんな意味の放送であるかは、すこし前にわか …
読書目安時間:約3分
敗戦後一年ぐらいたってから書いたもので、この巻の三作品の中では最も古い。 敗戦の年の八月十五日、天皇の放送があると言うので、——それが大体どんな意味の放送であるかは、すこし前にわか …
廃墟(一幕)(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間17分
人間 柴田欣一郎 誠その長男 欣二次男 双葉次女 富本三平 圭子 清水八郎 せい子 お光 浮浪者 柴田一家が住み、食い、寝ているガランとした大きな洋室。もとはかなり立派な室の、現在 …
読書目安時間:約2時間17分
人間 柴田欣一郎 誠その長男 欣二次男 双葉次女 富本三平 圭子 清水八郎 せい子 お光 浮浪者 柴田一家が住み、食い、寝ているガランとした大きな洋室。もとはかなり立派な室の、現在 …
俳優への手紙(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間4分
丸山定夫君—— 本誌〔演劇・昭18〕昨年十二月号に君の書いた「答えと問い」を読んだ。その中で君は、先頃から僕が君にあてて出した手紙に就て君の考えたことを述べている。 その真率な調子 …
読書目安時間:約1時間4分
丸山定夫君—— 本誌〔演劇・昭18〕昨年十二月号に君の書いた「答えと問い」を読んだ。その中で君は、先頃から僕が君にあてて出した手紙に就て君の考えたことを述べている。 その真率な調子 …
肌の匂い(旧字新仮名)
読書目安時間:約6時間21分
それは、こんな男だ。 年齡二十六七。身長五尺四寸ぐらい。體重十五貫と十六貫の間。中肉でよく發達した、均整のとれたからだつき。顏は正面から見ると割りに寸がつまつて丸いが、横からだと面 …
読書目安時間:約6時間21分
それは、こんな男だ。 年齡二十六七。身長五尺四寸ぐらい。體重十五貫と十六貫の間。中肉でよく發達した、均整のとれたからだつき。顏は正面から見ると割りに寸がつまつて丸いが、横からだと面 …
彦六大いに笑ふ(新字旧仮名)
読書目安時間:約58分
ホンの此の間まで、その一廓はチヤンと生きてゐた。 あれでも、全部では十軒位の店は在つたのであらう。ハツキリ記憶に在るだけでも、先づカバン屋、洋品店、文房具も売つている雑貨店、靴屋、 …
読書目安時間:約58分
ホンの此の間まで、その一廓はチヤンと生きてゐた。 あれでも、全部では十軒位の店は在つたのであらう。ハツキリ記憶に在るだけでも、先づカバン屋、洋品店、文房具も売つている雑貨店、靴屋、 …
棺の後ろから(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
爺さん、立上れ! お前はそっちを担いでくれ、俺はこっちを担ぐ 泣くな、爺さん、これがどうしたと言うんだ? 死んだんだ、死んだだけだ そして死ぬと言う事は死ぬことだ—— 「お粥でいい …
読書目安時間:約5分
爺さん、立上れ! お前はそっちを担いでくれ、俺はこっちを担ぐ 泣くな、爺さん、これがどうしたと言うんだ? 死んだんだ、死んだだけだ そして死ぬと言う事は死ぬことだ—— 「お粥でいい …
浮標(新字旧仮名)
読書目安時間:約3時間4分
時…………現代 所…………千葉市の郊外 人間………… 久我五郎(洋画家。三十三歳) 美緒(その病妻。三十三歳) 小母さん(四十四歳) 赤井源一郎(五郎の友人。三十歳) 伊佐子(その …
読書目安時間:約3時間4分
時…………現代 所…………千葉市の郊外 人間………… 久我五郎(洋画家。三十三歳) 美緒(その病妻。三十三歳) 小母さん(四十四歳) 赤井源一郎(五郎の友人。三十歳) 伊佐子(その …
ぼたもち(新字新仮名)
読書目安時間:約31分
おりき 新一 次郎 サダ 喜十 森山 おせん 新一そうじやねえよ! 次郎そうだよ! 新一そうじやねえよ! 次郎そうだよつ! 新一そうじやねえつたら! 次郎そうだい! 新一そうじやね …
読書目安時間:約31分
おりき 新一 次郎 サダ 喜十 森山 おせん 新一そうじやねえよ! 次郎そうだよ! 新一そうじやねえよ! 次郎そうだよつ! 新一そうじやねえつたら! 次郎そうだい! 新一そうじやね …
炎の人――ゴッホ小伝――(新字新仮名)
読書目安時間:約3時間2分
■登場人物 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ テオドール・ヴァン・ゴッホ アンリ ヴェルネ デニス 老婆 ハンナ ヨング牧師 シィヌ ワイセンブルーフ モーヴ ルノウ ペール・タンギイ …
読書目安時間:約3時間2分
■登場人物 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ テオドール・ヴァン・ゴッホ アンリ ヴェルネ デニス 老婆 ハンナ ヨング牧師 シィヌ ワイセンブルーフ モーヴ ルノウ ペール・タンギイ …
敗れて帰る俺達(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
涙は頬っぺたで乾いた 怒りは胃の底によどんだ にがいにがい空っぽの胃の底に。 俺達は負けた、おお負けてしもうた。 俺達は負けた! おお此の歩いて帰る足の重さよ。 憶えて置こうぞ、此 …
読書目安時間:約3分
涙は頬っぺたで乾いた 怒りは胃の底によどんだ にがいにがい空っぽの胃の底に。 俺達は負けた、おお負けてしもうた。 俺達は負けた! おお此の歩いて帰る足の重さよ。 憶えて置こうぞ、此 …
破れわらじ(新字新仮名)
読書目安時間:約35分
お花 健二 六平 仲蔵 伍助 杉村 中年過ぎの女 五郎(肥前) お銀 番頭一、二 松男 金一 三吉 通行人 およね 越後 豊後 陸前 サツマ 上州 マキ子 三河 岩見 井上医師 音 …
読書目安時間:約35分
お花 健二 六平 仲蔵 伍助 杉村 中年過ぎの女 五郎(肥前) お銀 番頭一、二 松男 金一 三吉 通行人 およね 越後 豊後 陸前 サツマ 上州 マキ子 三河 岩見 井上医師 音 …
雪と血と煙草の進軍(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
風だ! ラ、ラ、ラ あられ! 雪と涙と汗! ツラ、ラ、ラ あらしだ! ラ、ラ、ラ 俺! 俺は苦しい 君! 君苦しい われら! われらは楽しい! 皆だ! 吹雪の中を進む 黒い黒い群集 …
読書目安時間:約1分
風だ! ラ、ラ、ラ あられ! 雪と涙と汗! ツラ、ラ、ラ あらしだ! ラ、ラ、ラ 俺! 俺は苦しい 君! 君苦しい われら! われらは楽しい! 皆だ! 吹雪の中を進む 黒い黒い群集 …
夜の道づれ(旧字新仮名)
読書目安時間:約1時間16分
走り過ぎる自動車のクラクション。 夜ふけの町かど。 深い闇の奧に白くもうろうとそびえ立つているビルディング。こちらは、夜空に黒くおしつぶされた家々。 とぼしい街燈が、あたりを明るく …
読書目安時間:約1時間16分
走り過ぎる自動車のクラクション。 夜ふけの町かど。 深い闇の奧に白くもうろうとそびえ立つているビルディング。こちらは、夜空に黒くおしつぶされた家々。 とぼしい街燈が、あたりを明るく …
“三好十郎”について
三好 十郎(みよし じゅうろう、1902年4月23日 - 1958年12月16日)は、昭和初期から終戦後の復興期にかけて活動した劇作家、詩人、小説家。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“三好十郎”と年代が近い著者
今月で生誕X十年
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
平山千代子(生誕100年)
今年で没後X百年
大町桂月(没後100年)
富ノ沢麟太郎(没後100年)
細井和喜蔵(没後100年)
木下利玄(没後100年)
富永太郎(没後100年)
エリザベス、アンナ・ゴルドン(没後100年)
徳永保之助(没後100年)
後藤謙太郎(没後100年)
エドワード・シルヴェスター・モース(没後100年)