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『日を愛しむ』
ふりがな文庫
『
日を愛しむ
(
ひをいとしむ
)
』
妻、素子が退院し、二ヵ月振りでわが家へ帰ったのは、四月中旬のことである。曇った日で、門前の吉野桜の花はすっかり散り落ち、枝には赤い萼が点々と残っている。素子は桜の梢の方へ目を遣ってから、門を入った。玄関では、満八十二になる、私の母が背を円く …
著者
外村繁
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「群像」1961(昭和36)年1月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約43分(500文字/分)
朗読目安時間
約1時間11分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
痼
(
しこり
)
顰
(
しか
)
嵌
(
は
)
攲
(
そばだ
)
縒
(
よ
)
蜩
(
ひぐらし
)