“茅舎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうしゃ28.6%
あばらや14.3%
かやや14.3%
ばうしや14.3%
ほうしゃ14.3%
わらや14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
処があとで関翁の話を聞けば、思いきや五郎君は翁の末子で、翁が武蔵野の茅舎ぼうしゃを訪われたのも、実は五郎君のすすめであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
私の、上新田の茅舎あばらやは、利根の河原へ百歩のところにある。朝夕、枕頭に瀬音の訪れを聞くのは、子供の時からの慣わしである。利根川なくして、私の人生はないようなものだ。
わが童心 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
主家おもやつづきに牛舎があり、中庭を隔てて、一層古びてくずれかけた茅舎かややの穀物納屋もあった。その間の庭の突き当りに細丸太の木柵があり、その外は野菜畑やクローバーの原っぱになっていた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
われ起つて茅舎ばうしやを出で、且つ仰ぎ且つ俯して罵者に答ふるところあらんと欲す。胸中の苦悶未だ全く解けず、行く行く秋草の深き所に到れば、たちまち聴く虫声の如く耳朶じだ穿うがつを。
一夕観 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
朝少し早く出かけて、茅舎ほうしゃ林園の、尚紫色むらさき濛気もやに包まれてる、清い世界を見ながら、田圃道を歩く心地の好いこと、それだけでも、獲物はすでに十分なのです。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
彼は片手でいとを掻き鳴らしながら、それにあはせて足拍子をとつて往還を進んでゆく。やがて、低い桜の木立にかこまれた一軒の茅舎わらやの戸口にそつと立ちどまつた。