“わらや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
藁屋68.8%
藁家20.3%
茅屋6.3%
破屋3.1%
茅舎1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子供らは旗をこしらえて戦争の真似まねをした。けれどがいして田舎は平和で、夜はいつものごとく竹藪たけやぶの外に藁屋わらやあかりの光がもれた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
戸外の作事場なのでしょうか、まるで滑石なめいしのようにてら/\光る堅い土面の上を歩んで行きますと、屋根に養蚕の天井窓のある藁家わらやがありました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
⦅あの眼もとの涼しいおれのハンナは、もう寐てゐるかしら?⦆さう思ひながら、彼は、われわれにはすでに馴染の、くだんの桜の木立にかこまれた茅屋わらやへと近づいた。
破屋わらやの板間の犬の臥床も、さては埋もれ水人に捨てられて、蘆のかれ葉に霜のみ冴ゆる古宅の池も、筧のおとなひ心細き山した庵も、田のもの案山子も小溝の流れも、須磨も明石も松島も
琴の音 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼は片手でいとを掻き鳴らしながら、それにあはせて足拍子をとつて往還を進んでゆく。やがて、低い桜の木立にかこまれた一軒の茅舎わらやの戸口にそつと立ちどまつた。