破屋わらや)” の例文
誰がにかけてみがきいだしけん、老女が化粧けはひのたとへは凄し、天下一面くもりなき影の、照らすらん大廈たいかも高楼も、破屋わらやの板間の犬の臥床ふしども、さてはもれみづ人に捨てられて
琴の音 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
破屋わらやの板間の犬の臥床も、さては埋もれ水人に捨てられて、蘆のかれ葉に霜のみ冴ゆる古宅の池も、筧のおとなひ心細き山した庵も、田のもの案山子も小溝の流れも、須磨も明石も松島も
琴の音 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)