琴の音ことのね
空に月日のかはる光りなく、春さく花のゝどけさは浮世萬人おなじかるべきを、梢のあらし此處にばかり騷ぐか、あはれ罪なき身ひとつを枝葉ちりちりの不運に、むごや十四年が春秋を雨にうたれ風にふかれ、わづかに殘る玉の緒の我れとくやしき境界にたゞよふ子あ …
題名が同じ作品
琴の音 (新字旧仮名)樋口一葉 (著)