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藁家
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わらや
ふりがな文庫
“
藁家
(
わらや
)” の例文
百姓では食って行けない越後平野の百姓が、その鉄を鍛えあげている。
野鍛冶
(
のかじ
)
から発達した田舎の
藁家
(
わらや
)
の庭でつくられる。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
戸外の作事場なのでしょうか、まるで
滑石
(
なめいし
)
のようにてら/\光る堅い土面の上を歩んで行きますと、屋根に養蚕の天井窓のある
藁家
(
わらや
)
がありました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
軒の深い
藁家
(
わらや
)
の縁先で、雀と共に冬日を浴びながら、本でもよんでゐたい。然しあの細君では——競馬や麻雀の好きな細君ではとても話にはなるまい。
畦道
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
その錦鱗湖に行って見たが、池の形も人工が加わっておらず自然で、
沢山
(
たくさん
)
の浮草の生えているさまも面白く、
又
(
また
)
岸にある
藁家
(
わらや
)
の重なりあって建っている
様
(
さま
)
も面白かった。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
がったんがったんと
懈
(
だる
)
い音を立てて水車が一日廻っていたが、
小雨
(
こさめ
)
などの降る日には、そこいらの杉木立ちの隙に
藁家
(
わらや
)
から立ち昇る煙が、
淡蒼
(
うすあお
)
く湿気のある空気に
融
(
と
)
け込んで
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
近頃は多く
板取
(
いたどり
)
と書くのを見る。その頃、
藁家
(
わらや
)
の
軒札
(
のきふだ
)
には虎杖村と書いてあった。
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三河島のとある家、——貧しくも哀れな
藁家
(
わらや
)
の入口へ老爺は足を停めました。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
尼が草庵は嵯峨釈迦堂より
艮
(
うしとら
)
の
方
(
かた
)
、大沢の池へ行く路の傍の、とある
藪
(
やぶ
)
かげにあって、部屋は僅かに二た間しかない怪しげな
藁家
(
わらや
)
の、廣い方の一と間を佛間に
充
(
あ
)
てゝ、あさゆう佛に仕えながら
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一夜北国にありて月明に乗じ独り郊外を散歩し、一
軒
(
けん
)
立ての
藁家
(
わらや
)
の前を通過せんとした。ふと
隙漏
(
すきまも
)
る光に屋内を
覗
(
うかが
)
うと、
炉
(
ろ
)
を囲める親子四、五人、一言だも
交
(
かわ
)
さずぼんやりとして
安
(
あん
)
を
貪
(
むさぼ
)
っていた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
北国
(
ほっこく
)
の夏の空は、暮るると間もなく濃紺に澄み渡る。星は千年も二千年も前に輝いた光と同じく、
今宵
(
こよい
)
始めて、この世を照すように新しく、鮮やかに、
湿
(
しめっ
)
ぽい光は草の葉の上や、
藁家
(
わらや
)
の上に流れた。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
短
(
みじ
)
か日の孟宗さむき田圃横
藁家
(
わらや
)
ひとつ見えて
童
(
わらべ
)
雀追ふ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
軒の深い
藁家
(
わらや
)
の縁先で、雀と共に冬日を浴びながら、本でもよんでゐたい。然しあの細君では——競馬や麻雀の好きな細君ではとても話にはなるまい。
畦道
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
このわびしい
藁家
(
わらや
)
が自分の息を引取るべき家かというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
藁
漢検準1級
部首:⾋
17画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“藁”で始まる語句
藁
藁草履
藁葺
藁屋
藁屑
藁屋根
藁沓
藁束
藁苞
藁人形