“かやや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
茅屋70.0%
萱屋15.0%
茅家5.0%
茅舎5.0%
萱家5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう葉を失つて枯れ黒んだ豆がショボ/\と泣きさうな姿をして立つて居たりして、其の彼方むかふに古ぼけた勾配の急な茅屋かややが二軒三軒と飛び/\に物悲しく見えた。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
わたしの生まれた家なども小麦のからをもちいて、かなりじょうずに葺いてあったが、その角度は関東の古い大きな萱屋かややとくらべると、気づかずにいられぬほどの鋭角であった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
菜種なたねにまじる茅家かややのあなたに、白波と、松吹風まつふくかぜ右左みぎひだり、其処そこに旗のような薄霞うすがすみに、しっとりとくれないさまに桃の花をいろどった、そのむねより、高いのは一つもない。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
主家おもやつづきに牛舎があり、中庭を隔てて、一層古びてくずれかけた茅舎かややの穀物納屋もあった。その間の庭の突き当りに細丸太の木柵があり、その外は野菜畑やクローバーの原っぱになっていた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
低い砂丘のその松原は予想外に閑寂かんじゃくであった。松ヶ根のはぎむら、孟宗もうそうの影の映った萱家かややの黄いろい荒壁、はたの音、いかにも昔噺むかしばなしの中のひなびた村の日ざかりであった。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)