“閑寂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんじゃく53.5%
かんじやく20.9%
しずか9.3%
ひっそり4.7%
しづか4.7%
かんせき2.3%
しん2.3%
ひそか2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雨と雪と月光とまた爛々たる星斗せいとの光によりてたださへ淋しき夜景に一層の閑寂かんじゃくを添へしむるは広重の最も得意とする処なり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
西行さいぎょうを好み、閑寂かんじゃくの静かさを求め、枯淡のさびを愛した芭蕉は、心境の自然として、常に「ろう」の静的な美を慕った。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
すべてがあつさにつかれたやうでむしきはめて閑寂かんじやくにはのぞいては
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一とたび鐘の音にかき亂された闇は、元より靜かな閑寂かんじやくさに返つて、町の遠音とほねも死んだやう。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
わたしは一向おもしろくなかったが、おやじは閑寂しずかでいいとかいうので、その軽井沢の大きい薄暗い部屋に四日ばかり逗留していました。
木曽の旅人 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
導かるるまま、折戸おりどを入ると、そんなに広いと言うではないが、谷間の一軒家と言った形で、三方が高台の森、林に包まれた、ゆっくりした荒れた庭で、むこうに座敷の、えんが涼しく、油蝉あぶらぜみの中に閑寂しずかに見えた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
外はすっかり暮れてしまって、茶の木畑や山茶花さざんかなどの木立の多い、その界隈かいわい閑寂ひっそりしていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
タキシイで通る海岸の町は閑寂ひっそりしたもので、日暮れの風もしっとりとわびしかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
閑寂しづかなのも可いけれど、外に客と云ふ者が無くて、まるでかう独法師ひとりぼつちも随分心細いね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
には油蝉あぶらぜみあつくなればあつくなるほどひどくぢり/\とりつけるのみで、閑寂しづか村落むらはしたま/\うた※弟きやうだいはかうしてたゞ餘所々々よそ/\しく相對あひたいした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
雑然たる都会のなかに住んでいた私には、暇を見つけては先生のもとに行って、その閑寂かんせきな趣味のなかにひたることのできるのを、この上なく嬉しく思ったことであった。
左千夫先生への追憶 (新字新仮名) / 石原純(著)
老先生が眼鏡を掛て、階下したで牛肉を切つて居る間は、奧の二階は閑寂しんとして居る。
ベンヺ こゝは往來わうらいぢゃ、どうぞ閑寂ひそかところ冷靜しづか談判だんぱんをするか、さもなくばわかれたがよい。衆人ひとるわ。