“閑寂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんじゃく56.5%
かんじやく19.6%
しずか8.7%
ひっそり4.3%
しづか4.3%
かんせき2.2%
しん2.2%
ひそか2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うがはやいか、おじいさんの白衣びゃくい姿すがたはぷいとけむりのようにえて、わたくしはただひとりポッネンと、この閑寂かんじゃく景色けしきなかのこされました。
口に経陀羅尼きやうだらにの法文をじゆして、夢にも現にも市鄽してん栄花えいぐわの巷に立入ること無く、朝も夕も山林閑寂かんじやくの郷に行ひ済ましてあるべきなり。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
わたしは一向おもしろくなかったが、おやじは閑寂しずかでいいとかいうので、その軽井沢の大きい薄暗い部屋に四日ばかり逗留していました。考えてみると随分物好きです。
木曽の旅人 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
外はすっかり暮れてしまって、茶の木畑や山茶花さざんかなどの木立の多い、その界隈かいわい閑寂ひっそりしていた。お島の足は惹寄ひきよせられるように、植源の方へ歩いていった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
には油蝉あぶらぜみあつくなればあつくなるほどひどくぢり/\とりつけるのみで、閑寂しづか村落むらはしたま/\うた※弟きやうだいはかうしてたゞ餘所々々よそ/\しく相對あひたいした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
雑然たる都会のなかに住んでいた私には、暇を見つけては先生のもとに行って、その閑寂かんせきな趣味のなかにひたることのできるのを、この上なく嬉しく思ったことであった。
左千夫先生への追憶 (新字新仮名) / 石原純(著)
老先生が眼鏡を掛て、階下したで牛肉を切つて居る間は、奧の二階は閑寂しんとして居る。そこには先生の書籍ほんが置並べてある。机の上には先生の置き忘れた金錢かねがある。
ベンヺ こゝは往來わうらいぢゃ、どうぞ閑寂ひそかところ冷靜しづか談判だんぱんをするか、さもなくばわかれたがよい。衆人ひとるわ。