閑寂しずか)” の例文
わたしは一向おもしろくなかったが、おやじは閑寂しずかでいいとかいうので、その軽井沢の大きい薄暗い部屋に四日ばかり逗留していました。考えてみると随分物好きです。
木曽の旅人 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
昼はそれぞれ働きに出してあるので、お浪の母が残っているばかりで至って閑寂しずかである。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
折戸おりどを入ると、そんなに広いと言うではないが、谷間の一軒家と言った形で、三方が高台の森、林に包まれた、ゆっくりした荒れた庭で、むこうに座敷の、えんが涼しく、油蝉あぶらぜみの中に閑寂しずかに見えた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それほど閑寂しずか
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)